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犬・猫の血液検査ってどう読むの?|血液検査数値の意味を優しく解説

みなさん、こんにちは!
みかん動物病院の若月です🍊
動物病院で血液検査を受けた後、検査結果表を渡されて「う───ん…🤔」と首を傾げた経験はありませんか?
そこにはアルファベットや数字がずらりと並んでいて、一見するとまるで暗号のようで難しく見えてしまうかもしれません…💦
しかし、この検査結果は、言葉を話せない愛犬・愛猫の「今、体の中でどんなことが起きているか」を知るための、大切なメッセージなのです☝
今回は、犬や猫の血液検査の主な項目の種類や読み方について、飼い主様にわかりやすくご紹介していきます✨

■目次
1.血液検査とは❓「正常か異常か」だけを見るものではない
2.犬や猫の血液は何からできている?~赤血球・白血球・血小板~
3.内臓からのメッセージを読む~肝臓・腎臓・血糖値の数値~
4.数値の組み合わせで見えてくること
5.さいごに
【💉血液検査とは❓「正常か異常か」だけを見るものではない】
犬や猫の血液検査は、見た目だけではわからない体の内側の変化をいち早く知るためのものです。
動物たちは体調不良を隠すのがとても上手なため、飼い主様が「いつも通り元気だな」と思っていても、体の中では少しずつ変化が始まっていることも珍しくありません💦
<血液検査でわかるのはこんなこと…🩸>
🔸貧血が起きていないか
🔸体の中で炎症や感染のサインが出ていないか
🔸肝臓や腎臓といった重要な臓器に負担がかかっていないか
🔸血糖値や脂質のバランスに乱れがないか
🔸脱水や栄養状態に問題が隠れていないか
しかし、血液検査の数値は、その日のちょっとしたコンディションで変動することがよくあります😲
例えば、直前に食べた食事の内容、病院へ来る時の緊張や興奮、一時的な脱水、年齢など。
あるいは現在飲んでいるお薬などが影響する場合もあるため、その年齢の平均値や基準値から外れているからといって、必ずしも病気に直結するとは限りません。
そのため、1回きりの結果だけで一喜一憂するのではなく、前回からの変化を見ることによって「点」ではなく「線」で追っていく視点が重要になります☝
だからこそ、健康な時から定期的に検査を受けて、その子にとっての「いつもの数値(個体基準値)」を把握しておくことが、健康管理に役立つのです😉
【💉犬や猫の血液は何からできている?~赤血球・白血球・血小板~】
血液は、全身を巡りながら命を支える重要な液体です。
血液を大きく2つの成分にわけると、
・細胞成分(血球)…“酸素を運ぶ” “体を守る” “血を止める”
・液体成分(血漿)…“栄養を運ぶ”
この2つの成分から血液は成り立っています。
まずは血液検査の項目でもよく目にする血球成分から読み解いていきましょう☝
<赤血球(RBC)・ヘモグロビン(Hb)・ヘマトクリット(PCVもしくはHt)>
これらは体中に酸素を届ける働きに関わる項目です。
↑❤数値が高い場合
・体が水分不足に陥っている「脱水」
・病院での「興奮・緊張」によって数値が一時的に上がっている可能性
・赤血球を作る「骨髄」の病気によって、赤血球が過剰に作られている可能性
・心臓や呼吸器の病気などによって、体が「酸素不足」になっている可能性
↓💙数値が低い場合
・酸素を運ぶ赤血球やヘモグロビンが不足する「貧血」
・赤血球が体内で破壊される「溶血」
・怪我や腫瘍などによって血液を失う「出血」
・腎不全・骨髄疾患・炎症性疾患などの「慢性的な病気」
・鉄分などの栄養素が不足し、赤血球をうまく作れない「栄養状態の問題」
飼い主様が気付きやすい貧血のサインとしては、「なんとなく疲れやすい」「最近元気がない」「散歩に行きたがらない」といった行動の変化が挙げられます。
<白血球(WBC)>
白血球は、外部から侵入してきたウイルスや細菌などの敵と戦う、いわば体の中の「パトロール隊」です。この数値からは炎症や感染に対する身体の反応がわかります。
↑❤数値が高い場合
・身体のどこかで「細菌感染」や「強い炎症」がある
・強いストレスや興奮によって一時的に増加している
・白血球の増加を伴う「腫瘍」が隠れている可能性
・白血球が異常に増殖する「白血病」
↓💙数値が低い場合
・白血球を破壊・減少させるウイルスに感染している
・重い感染症によって白血球が大量に消費されている
・白血球を作る「骨髄」に問題がある可能性
・薬剤などの影響によって、白血球の産生が抑制されている
白血球の数値が動いている時は、愛犬・愛猫の様子もじっくり観察してください。
「発熱」「食欲低下」「嘔吐や下痢」「咳」「皮膚の赤みや腫れ」など、体にトラブルが起きていないかを見逃さないようにしましょう。
<血小板(PLT)>
血小板は、ケガなどで血管が傷付いた時に、傷口を塞いで「血を止める」という大切な働きを担っています。
↓💙数値が低い場合
・血が止まりにくくなる病気
・免疫の異常によって自分の血小板を壊してしまう病気
・感染症、あるいは骨髄の異常
血小板が著しく減少している時に気を付けたいサインは、日常のふとした出血です。
✅鼻血がでる
✅便が黒色になる、もしくは尿が赤黒くなる
✅歯茎からじわじわと出血している
✅皮膚(下腹部や耳の内側)に小さな赤い点々のような内出血がある
…などの場合は、早急な対応が必要となりますので、様子を見ずに早めに病院を受診してくださいね💨
当院の血液内科のご案内はこちらで解説しています
当院の血液内科の症例はこちらで解説しています
【💉内臓からのメッセージを読む~腎臓・肝臓・血糖値の数値~】
次に、血液の液体成分に含まれている酵素や老廃物の量から、内臓がしっかりと働いているかどうかを確認していきましょう。
特に気になる「腎臓」「肝臓」「血糖値」の数値についてまとめました。
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<腎臓の数値>
【BUN(尿素窒素)】
↑❤数値が高い場合
▶腎臓の機能低下
▶脱水
▶高タンパクな食事
▶消化管内での出血
↓💙数値が低い場合
▶重度の肝不全
▶栄養不良
【CRE(クレアチニン)】
↑❤数値が高い場合
▶腎臓の機能低下(主に慢性腎臓病)
▶脱水
▶筋肉量の多い個体の場合も
↓💙数値が低い場合
▶著しい筋肉量の低下
【SDMA】
↑❤数値が高い場合
▶初期の腎機能の低下(CREよりも早期に異常を検出しやすい)
↓💙数値が低い場合
▶正常
腎臓の数値であるBUNやCREは、その機能が半分以上損なわれないと上がってこない特徴があります。しかし近年では、より早い段階で腎機能の低下をキャッチできる「SDMA」という項目も検査できるようになりました。
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<肝臓の数値>
【ALT(GPT)・AST(GOT)】
↑❤数値が高い場合
▶肝細胞がダメージを受けている
▶急性・慢性肝炎
▶脂肪肝
▶中毒など
↓💙数値が低い場合
▶著しい肝機能の低下(肝不全など)
▶元々低い場合は正常なことが多い
【ALP・GGT】
↑❤数値が高い場合
▶胆汁の通り道(胆のう・胆管)のトラブル
▶ホルモンの異常(クッシング症候群など)
↓💙数値が低い場合
▶正常
【T-Bil(総ビリルビン)】
↑❤数値が高い場合
▶胆汁の流れの悪化
▶黄疸(肝臓・胆のう・胆管のトラブル)
↓💙数値が低い場合
▶正常
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、多少のダメージでは症状が出ません。
そのため、ALTやALPといった数値の上昇が、病気を早く見付けるための貴重な手掛りになります。
<血糖値>
【GLU(グルコース)】
↑❤数値が高い場合
▶糖尿病
▶ストレス(特に猫は緊張で跳ね上がることがある)
▶クッシング症候群
↓💙数値が低い場合
▶低血糖
▶子犬・子猫の空腹
▶インスリノーマ
▶重度の感染症など
血糖値(GLU)に関しては、猫を動物病院に連れて行った際、緊張のあまり数値が一時的に爆発的に上がってしまうことがよくあります。
そのため、一度高かったからといってすぐに糖尿病と決めるのではなく、お家での様子や尿検査などと合わせて慎重に見極める必要があります。
糖尿病の管理についてはこちらで解説しています
糖尿病(症例)についてはこちらで解説しています
糖尿病性ケトアシドーシスについてはこちらで解説しています
【💉数値の組み合わせで見えてくること】
ここまで各項目の意味を解説してきましたが、血液検査で最も大切なのは「ひとつの数値だけで体調のすべてがわかるわけではない」ということです。
獣医師は、バラバラにある数字をパズルのように組み合わせ、全体のバランスを見ながら体の中のストーリーを読み解いています。
具体的な組み合わせの例を見てみましょう👀
<ケース1>赤血球(RBC)が高い+総タンパク(TP)も高い
もし赤血球の数値だけ高ければ、血が濃くなる何らかの病気を疑うかもしれません。
しかし、水分バランスを表す「TP(総タンパク)」の数値も一緒に高くなっている場合、獣医師は「身体の中の水分が足りなくて、血液が一時的に濃縮されている状態(脱水)」を考慮します。
水分をしっかり補給してあげれば、どちらの数値も正常に戻ることが多いのです。
<ケース2>肝臓の数値(ALTなど)が高い+食欲低下や嘔吐がある
健康診断でたまたま肝臓の数値が少し高めに出たものの、毎日元気いっぱいでご飯もよく食べている場合は、しばらく食事管理をしながら経過を診ていく選択肢もあります。
一方で、数値の上昇とともに「食欲が落ちている」「最近よく吐く」といった具体的な消化器症状が伴っているなら、肝臓だけでなく胆のうや膵臓も含めた、一歩踏み込んだ精密検査(超音波検査など)を検討します。
このように、どの項目が・どのくらい・どんな組み合わせで変化しているかによって、緊急度や必要なアプローチはガラリと変わるものです。
結果表にある「高い」「低い」だけを見て、「うちの子の肝臓はもうダメなんだ…」と不安になりすぎる必要はありません。
血液検査結果の説明の際、不安なことがあればわかるまで何度でも質問していただいて構いません。ぜひ遠慮なく聞いてくださいね😉
【💉さいごに】
今回は
・血液検査の目的
・血液は何からできているか
・赤血球・ヘマトクリット・白血球・血小板の数値
・腎臓・肝臓・血糖値の数値
・数値の組み合わせで見えてくること
上記についてお話しました!
血液検査は、言葉で痛みを訴えられない犬や猫たちが、人間に宛てて送ってくれた「体からの手紙」のようなものです。
そこには貧血の有無・隠れた炎症・肝臓や腎臓の頑張り具合・日々の栄養状態など、外見を眺めているだけでは決して気付けない貴重な情報がたくさん詰まっています。
「うちの子のこの数値、基準値よりもちょっと高いけれど大丈夫かな?」
「最近少し水を飲む量が増えた気がするから、腎臓の数値を一度調べてみたい」
そんな風に思われたときは、いつでもお気軽にご相談ください😉
血液検査の結果を一緒にじっくり読み解きながら、大切なご家族である愛犬・愛猫が毎日を健やかに過ごすためのお手伝いをさせていただきます🍀
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