循環器科

こんな症状はありませんか?

  • 咳が増えた
  • 疲れやすくなった
  • 呼吸回数が多く、苦しそう
  • 伏せようとせず、首を伸ばして呼吸している
  • 舌や歯茎の色が蒼白
  • 急に倒れる
  • 急に後ろ足が動かなくなった
  • 急に苦しんでいる
  • 呼吸が荒い

このような症状がみられたら、循環器科の病気の可能性があります!

考えられる病気・疾患について

犬の主な病気・疾患

僧帽弁閉鎖不全症

犬の心臓病で最も多い病気です。心臓の弁は、血液の逆流を防ぐ役割をしています。この作用で、本来心臓は一方通行に血液を送り出しますが、僧帽弁閉鎖不全症では、全身に血液を送る際に、心臓の弁のひとつである僧帽弁が閉じきらず、血液の一部が逆流してしまいます。この結果、血液を正常に送る事ができず心臓に負担がかかります。この状態が長く続くと心臓のポンプ力が低下し心不全の状態となります。食事療法(低ナトリウム食)、運動制限、薬物療法などの内科療法と、僧帽弁形成術などの外科治療の選択肢があります。

このような症状が出た場合、ご連絡ください
  • 最近、咳っぽくなってきた
  • 疲れやすい

肺水腫

肺(肺胞内)に多量の水分が溜まり、呼吸が妨げられる病気です。心臓の病気(僧帽弁閉鎖不全症など)が原因でおこる心臓性肺水腫と、それ以外の原因でおこる非心臓性肺水腫に分けられます。犬や猫の場合、ほとんどが心臓性肺水腫です。肺水腫になると、咳をする、ゼーゼーと呼吸が荒くなる(呼吸困難)などの呼吸症状を示し、命に関わる場合もあります。治療は利尿剤や血管拡張剤、強心剤などを投与して肺に溜まった水分を血管内に戻し、尿として排出させます。呼吸困難がある場合は、酸素吸入を行います。重篤な場合は麻酔下での人工呼吸による治療を行います。

このような症状が出た場合、ご連絡ください
  • 呼吸回数が多く、苦しそう
  • 伏せようとせず、首を伸ばして呼吸している
  • 舌や歯茎の色が蒼白
  • 咳が増えた

肺高血圧症

肺動脈の血圧が持続的に上昇している状態で、初期は無症状ですが、進行すると息が苦しくなったり、失神したりする症状を認め、寿命にも影響します。原因としては、心臓の異常や呼吸器の異常などが考えられますが、明らかな原因が見つからずに発生することもあります。エコー検査やレントゲン検査を実施して診断し、適切な治療をすることで症状の改善や寿命を延ばします。

このような症状が出た場合、ご連絡ください
  • 呼吸回数が多く、苦しそう
  • 咳をする
  • 疲れやすい
  • 急に倒れる

猫の主な病気・疾患

肥大型心筋症

猫ちゃんの心臓の疾患の中で最も多く発症する疾患です。心臓の筋肉が分厚くなってきてしまうことで、血液が入る心臓の内腔が狭くなってしまい、血液を十分に送り出せなくなってきてしまいます。高齢の猫ちゃんだけではなく、時には3カ月齢などの若い猫ちゃんでも認められます。健康状態の良好な猫ちゃんの中で15%が肥大型心筋症だったという報告もあります。

このような症状が出た場合、ご連絡ください
  • 最近、咳っぽくなってきた
  • 疲れやすい

肺水腫

肺の酸素の交換をおこなう部分に肺の液体成分が貯留し、呼吸不全に陥ります。ワンちゃんねこちゃんの場合、心臓病が原因の心原性肺水腫が多く、緊急性が高く急変しやすい病気です。呼吸状態に十分気をつけながら検査や治療を進めます。中等度以上の場合、ICUでの入院治療が必要です。

このような症状が出た場合、ご連絡ください
  • 呼吸回数が多く、苦しそう
  • 伏せようとせず、首を伸ばして呼吸している
  • 舌や歯茎の色が蒼白
  • 咳が増えた

大動脈血栓塞栓症

主に心臓内で血の塊ができて動脈に詰まることで、その血管の先にある組織や臓器に血液がめぐらなくなってしまいます。突然に強い痛みを伴い、苦しがったり、元気がなくなります。その他、障害を受ける臓器によって症状は異なりますが、猫ちゃんの場合は、腹部大動脈に詰まってしまうことが多く、左右の足がほとんど動かなくなって立ち上がれなくなったり、後ろ足が冷たくなってそのうち壊死してしまいます。原因としては、7~9割が心臓が原因とされ、その次に腫瘍が原因とされ、明確な原因がなくて発症することもあります。治療としては、①血栓を薬で溶解させる②痛みなどの症状をを抑える③再発率が高いことから血栓形成の予防と原因疾患の治療の①~③を状況や状態に応じて組み合わせて治療をおこなって参ります。

このような症状が出た場合、ご連絡ください
  • 急に後ろ足が動かなくなった
  • 急に苦しんでいる
  • 呼吸が荒い

循環器科治療3つの特徴

01

各種検査による多角的な状態の把握

当院では、レントゲン、心臓のエコー検査、心臓バイオマーカーなど異なる検査を併用して多角的に心臓の状態を把握し、薬の調整などをおこないます。

02

全身もケアしながらの治療

心臓の治療の場合、生涯にわたり薬を飲んだ方が良い場合もあります。その際に心臓だけにとらわれることなく、血圧や全身の血液検査などで状態を把握していくことで、利尿剤などによる腎臓への負担なども考慮しながら治療をしています。

03

心不全に対する積極的な治療

重度の肺水腫になってしまうと助からない場合もありました。最近では麻酔をかけて当院で使用しているような最新の人工呼吸器を用いた管理を行うことで、肺水腫を改善できることがあります。私たちは飼い主様が望まれる限り、諦めずにベストをつくします。

循環器科治療の流れ

  1. STEP01受付・問診

    受付にて、スタッフから問診を取らせていただきます。呼吸状態や咳などのご様子をお伺いしたり、状態を拝見させていただきます。来院時やお待ちいただいている間にぐったりしたり呼吸が早い時には先に酸素室でお預かりや先に処置をさせていただきますので、お気軽にスタッフにお声がけください。

  2. STEP02身体検査

    聴診をしっかり行い、心臓に雑音がないか、不整脈がないか、呼吸音に異常がないかなど確認していきます。身体全体の視診や触診もさせていただき、心不全の兆候や他の異常がないか確認をしていきます。

  3. STEP03検査

    問診や身体検査から状態に応じてレントゲン検査、超音波検査、血液検査などをお勧めさせていただきます。呼吸状態が悪い場合は、酸素を吸入させながら検査をおこなったり、状態を安定させる治療をして落ち着いてから検査をしていく場合もございます。

  4. STEP04検査結果の説明・治療方針のご相談

    検査結果から、どのような心臓の疾患があり、どの様な治療が必要になるのかなどご説明させていただきます。高齢のワンちゃんで多い僧帽弁閉鎖不全症に対しては、世界的な診断治療基準であるアメリカ獣医内科学会(ACVIM)に基づいて治療をご提案します。また心臓外科が必要な場合は2次診療施設のご紹介もさせていただきます。

  5. STEP05お会計・次回の予約

    お会計、お薬のお渡しは受付にてさせていただきます。次回の診察日は状態に応じて数日後から1ヵ月を目安にお伝えさせていただきます。

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