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愛猫・愛犬の糖尿病と向き合う|日々のケアで快適な生活を支える
神奈川県秦野市・伊勢原市・平塚市・中井町・二宮町・小田原市のみなさまこんにちは!
神奈川県秦野市のみかん動物病院、愛玩動物看護師の若月です🍊
みなさん『糖尿病』という言葉は、人間の生活習慣病としてよく耳にするかもしれませんが、実は犬や猫にも発症することがあるとご存じでしたか?愛犬や愛猫が、初めて糖尿病と診断された際には、不安や戸惑いを感じることもたくさんありますよね。
糖尿病は、飼い主の管理が非常に重要になります。
糖尿病を予防するため、もし発症してしまった場合でも適切に管理できるよう、予防法やケア方法についてしっかりとした知識を身につけて欲しいと思い、今回は糖尿病についてお話していこうと思います。
【🍊犬と猫の糖尿病とは?】
糖尿病とは、血液中の糖分を細胞へ運ぶために膵臓から分泌される『インスリン』というホルモンの量や働きが低下することで、血液の中に糖分が充満し、血糖値の高い状態が続いてしまう病気です。
その結果、通常は出てこないはずの尿中に糖分が含まれてしまうため、この病気は『糖尿病』と言われているんです☝
犬と猫では、糖尿病の型に違いがあります。
犬では、ヒトのⅠ型糖尿病(インスリン依存型)に近いものが多く見られ、猫ではⅡ型糖尿病(インスリン非依存型)に似たタイプが主流です。
また、犬ではメス、猫ではオスが糖尿病を発症しやすいと言われているんだとか…😲
【🍊糖尿病の症状とは?】
糖尿病の症状としては以下の様な変化が見られることがあります。
🔹飲水量の増加
🔹尿の回数や量の増加
🔹食欲の増加(または減少)
🔹体重の減少
🔹嘔吐
🔹猫の場合、後ろ足の踵を地面に付けて異常な歩き方になる
などなど。
水を飲む量が増えたり、それに伴っておしっこの量が増えたり。
しっかり食べているのに痩せてしまったり…。
あれ?と思ったら要注意⚠
糖尿病は早期発見が何よりも大切な、命に関わる病気です。
そのためにも、定期的に動物病院で健康診断を受けることを心がけ、日常生活の中で少しでも気になることがあれば、すぐ獣医師に相談するようにしましょうね。
【🍊糖尿病になってしまったら?|生活の変化と飼い主様の心構え】
糖尿病は一度発症すると、一生付き合っていかなければならない病気です。
そのため、毎日の食事管理やインスリンのコントロールがとても大切になります☝
また、糖尿病を適切に管理することで白内障・ぶどう膜炎・膀胱炎・皮膚炎などの併発疾患を予防することにもつながりますので、一緒に頑張っていきましょう💪
治療の基本は、飼い主様が1日1~2回のインスリン注射を行うことになります。
血糖値に合わせて1回に注射するインスリンの量が変わってきますので、定期的に動物病院で血糖値のチェックをしながらインスリン量を調節していきます。
注射するインスリンの量が少なすぎると治療効果が得られず高血糖の状態が続いてしまい、結果的に『糖尿病性ケトアシドーシス』という命に関わる状態に陥ってしまう可能性があります💦
逆にインスリンの量が多すぎてしまうと低血糖状態になり、こちらも虚脱や発作を起こす危険があるので、インスリン量の調節はとても重要になります。
ただし、インスリン非依存型の猫の場合は、食事管理を行い体重を減らすことで、インスリン治療が必要なくなる可能性もあります😉
【🍊食事管理はどうしたら良いの??】
糖尿病用のフードは、食後に血糖値が急激に上がらないように工夫されています。
また、肥満が糖尿病を悪化させるため、脂肪分も抑えられています。
血糖値を安定させるためには、決まった時間に決まった量の食事を与えることが大切です✨
そして食後にインスリンの投与を行う必要があります。
おやつは控えるのが理想ですが、完全に禁止とするのは心苦しいですよね😖
どうしても与えたい場合は市販のおやつは避け、茹でた葉物野菜やささみなどを与えるようにするといいかなと思います👍ただし与えすぎは注意!!!
食事やおやつの選び方は、犬や猫の併発症や好みによっても異なります。
糖尿病と診断されたら、必ず獣医師に相談して最適な食事管理を行うようにしましょう!
【🍊運動管理について】
運動に関しては無理のない範囲で、適度な運動を心がけましょう!
過度な運動は急激に血糖値を下げる可能性があるので、いつもより激しい運動をした際は、その後をよくよく観察してあげてくださいね👀
🔸後ろ足に力が入らない
🔸ふらついている
🔸発作が起きる
などの症状が見られた際は『低血糖発作』の可能性があります😲
その際はすぐに動物病院へ行きましょう💨
動物病院に行くまでの間の応急処置として、意識があるようであればすぐにエネルギー源となるものを与えることです。
例えば砂糖水やガムシロップなど。舌や歯茎に塗ってあげることで血糖値を一時的に上昇させることができます。
しかし本人が意識を失っている場合は、口に物を入れると誤嚥(食べ物や液体が気道に入ること)を引き起こするリスクがありますので、無理して与えずすぐに動物病院へ向かってくださいね💨
【🍊日頃のケアや観察ポイントは??】
🔻水分摂取量と排尿量
毎日の飲水量と排尿量を記録しておくと、健康管理に役立ちます😉
お皿に入れたお水の量と残ったお水の量を測り、どのくらい飲んでいるのか確認してみましょう。
排尿量はお散歩中だとなかなか正確に測るのは難しいかもしれませんが、排尿の回数やペットシーツの重さをチェックすることで、いつもより多い・少ないが分かるかと思います☝
実は血糖値が高めの場合は飲水量が多く、排尿量も増えます。
逆に血糖値が低めの場合は飲水量が減り、排尿も少なくなるので、いつもの平均と比べて大きな変化があるようでしたら記録しておきましょう!
🔻皮膚・被毛
糖尿病の影響で皮膚が薄くなったり、被毛の艶が失われたりすることがあります💦
シャンプーの際は刺激の少ないものを使用し、皮膚を清潔に保ちましょう✨
また、糖尿病の子は感染しやすいので傷ができないように注意してあげましょうね!
🔻体重
定期的に体重を計測しましょう!
ワンちゃん、ネコちゃんを抱っこした状態で体重計に乗り、後から自分の体重を引けば、その子の体重がわかります☝
お家での計測が難しい場合は、体重だけ測りに病院に来てもらっても大丈夫です😉
体重が減り続けていたり、増え続けたりしている場合はご相談くださいね!!
【🍊合併症の予防と早期発見】
糖尿病によって引き起こされる可能性のある合併症について、少しお話しますね🍀
主な合併症は以下の様なものがあげられます👇
🟨白内障
高血糖の状態が続くと水晶体内の水分量が上がるため、水晶体が白く濁ってしまいます。特に犬に多く見られます。
🟨神経症状
踵を地面につけた状態で歩き、腰が弱ったような歩き方になります。こちらは猫に多く見られます。
🟨腎臓の異常
高血糖の状態が続くと腎臓の毛細血管が傷んでしまい、ろ過機能が低下してしまいます。犬に多く見られ、尿検査や血液検査で調べることができます。
🟨肝臓の異常
血液中に充満した糖をそのままにしておくと中性脂肪となり肝臓に蓄えられ『脂肪肝』になってしまうんです。血液検査で診断することができます。
🟨膵炎
膵臓からインスリンが分泌されるため、インスリン量が低下しているということは膵炎を引き起こしている可能性があります。嘔吐や下痢などの症状が現れます。
🟨感染症
高血糖の状態では細い血管内の血液の流れが悪くなります。
それにより酸素や栄養が十分に行き渡らなかったり、細菌と闘うための白血球が感染部位に到達しにくくなり、病原体が増殖しやすくなってしまいます。膀胱炎や傷の化膿などがみられます。
上記のような合併症を防ぐためにも、定期的に動物病院を受診し、お家でも日頃からよくよく観察していきましょう🍀
心配事があれば、些細なことでも教えていただければと思います😉
【🍊さいごに】
犬や猫の糖尿病は人間の糖尿病と同様に、長期的な管理が必要であり、合併症のリスクも高い病気です。
愛犬や愛猫の健康を守るためには、日々のケアをしっかりと行い、獣医師と密に連携して適切な治療と管理を続けることが非常に重要です。
インスリンの注射をお家ですること。とっても怖いと思います。
高血糖・低血糖、どちらも危険となると、日々の血糖値の上下が気になって不安になる方もいらっしゃるかと思います。
病気と向き合いながら、愛犬や愛猫が快適に過ごせるよう、しっかりとサポートさせていただきますので、どんな些細なことでも、お気軽にお話しいただければと思います。
私たちと一緒に、治療を頑張りましょう💪
■糖尿病に関連する病気はこちらで解説しています。
・犬の糖尿病
・副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
・甲状腺機能低下症
・肥満について
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