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寝てばかり・呼吸が早い時は注意!猫の心臓病と初期症状に気付くために

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みなさん、こんにちは!
愛玩動物看護師の若月です🍊

猫ちゃんと暮らしている中で
「最近あまり遊ばなくなったな…」
「寝ている時間が増えたかも」
「呼吸が早い気がする…」
といった変化はありませんか?

猫の心臓病は、犬のように咳などの目立つ症状が出にくいため、飼い主様が気付いた時には進行してしまっているケースが少なくありません。

今回は、猫の心臓病で見られる症状や、日常の観察ポイント、心臓検査の大切さについてわかりやすく解説していきます🐱

■目次
1.猫の心臓病で多い「心筋症」とは|犬とは違う見え方に注意
2.心筋症のメカニズムとリスク
3.猫の心臓病の初期症状とサイン
4.猫の心臓検査でわかること
5.猫の心臓病は予防できる?|ご家庭のチェックで早期発見を
6.家庭でチェックしておきたいポイント
7.さいごに

 

【❤猫の心臓病で多い「心筋症」とは|犬とは違う見え方に注意】

猫の心臓病は、犬のケースと比較するとより理解しやすくなります。
一般的に高齢の犬に多く見られるのは、心臓のバルブ(弁)がうまく閉まらなくなる「僧帽弁閉鎖不全症」という病気です。

これに対して、猫で圧倒的に多く見られるのは、心臓の筋肉そのものに異常が起こる「心筋症」。
その中でも「肥大型心筋症」が多く発症しやすい傾向にあります。

猫の心臓病は、初期段階では聴診器をあてても「心雑音」が聞こえるとは限らず、「症状がわかりづらい」点が特徴です。

 

【❤心筋症のメカニズムとリスク】

猫の心筋症には3つの種類があります。

💛肥大型心筋症(猫で圧倒的に多く見られるのがこれ)
心臓の筋肉(心筋)が厚くなることで心臓の内側のスペースが狭くなり、心臓内に血液を十分に取り込めなくなる病気です。
心臓がうまく拡張できなくなるため、心臓内の血液量が減少し、全身へ送り出せる血液も少なくなります。
また、心臓の筋肉が厚くなることで心臓自体が硬くなり、正常な働きが妨げられます。

💛拡張型心筋症
心臓が大きく拡張する一方で、心筋の収縮する力が弱くなり、血液を十分に送り出せなくなる病気です。
心臓がしっかり縮めなくなることで、心臓内に血液が残りやすくなり、全身へ血液を送り出す力が低下します。進行すると、心臓の働きが大きく低下し、全身への血液供給にも影響します。

💛拘束型心筋症
心筋や心臓の内側の組織が硬くなり、心臓が十分に広がらなくなる病気です。
心臓がうまく拡張できないため、心臓内に血液を取り込めなくなります。
その結果、心臓に血液が溜まりやすくなり、特に心房が大きくなるなど、心臓の構造や働きに変化が生じます。

 

<💥3種類の心筋症に共通するリスク>

これらの心筋症では、心臓の働きが低下したり、心臓内の血液の流れが悪くなったりすることで、さまざまな合併症が起こることがあります。

💥肺水腫
心臓の働きが低下すると心臓内の圧力が高くなり、その圧力が肺へつながる血管にも伝わります。その結果、肺の血管から水分が漏れ出して肺に水が溜まる「肺水腫」という状態になり、呼吸が苦しくなることがあります。

💥血栓
心臓内で血液の流れが滞ってよどむことで、血液の塊である「血栓」ができやすくなります。
血栓が血管に詰まると、血流が遮断され、後ろ足の麻痺や強い痛みなど、重篤な症状を引き起こすことがあります。

❤CHECK✨
🔻肥大型=厚くなって取り込めない
🔻拡張型=大きくなって縮めない
🔻拘束型=硬くなって広がれない

 

犬の心臓病についてはこちらで解説しています

 

【❤猫の心臓病の初期症状とサイン】

犬の心臓病であれば、散歩の途中で座り込んでしまったり、興奮した時に咳き込んだりするため、比較的早い段階で異変に気付ける機会があります。

しかし、一日の大半を室内で寝て過ごす猫の場合、多少の疲れやすさは行動に現れにくく、飼い主様が病気に気付くのは簡単ではありません。
さらに猫は、野生時代の名残から、「痛みや体調不良を周囲に隠す」という本能を持っています。
弱みを見せると外敵に狙われる危険があるため、限界まで元気なふりをしてしまいます。
だからこそ、日頃から一緒に暮らしている飼い主様の「気付き」が大切なのです。

日常の中で、以下のような小さな変化が連続して見られる場合は、心臓からの危険信号かもしれません。心臓病などの影響で寝てばかりいる猫のイラスト

 

<💚日常で気付きやすい初期症状>

✅以前ほどおもちゃで遊ばなくなった・すぐにやめてしまう
✅キャットタワーや家具など、高い場所に登らなくなった
✅以前に比べて寝ている時間が明らかに増えた
✅食欲が落ちたり、ムラがあったりする日がある
✅呼吸が浅く、どこか速そうに見える
✅少し動いた後、横になって休む時間が長くなった
✅ときどき口を開けて、ハァハァと息をすることがある

これらの症状は、どれも「一時的な不調かな」「年のせいかな」と、片付けてしまいそうなものばかりかと思います。
しかし、心臓の機能が低下して全身がだるいと感じているために、自ら行動を制限している可能性があるのです。

 

<💚早めに動物病院を受診したいサイン>

次のようなサインが見られた場合は、病状がかなり進行しているか、あるいは命に関わる緊急事態に陥っている恐れがあります。
そのような場合は様子を見ることはせず、すぐに動物病院を受診してくださいね。

✅リラックスして寝ている時でも、明らかに呼吸が早い
✅苦しそうに喉を鳴らしたり、口を開けて呼吸(開口呼吸)をしたりしている
✅舌や歯茎の色が、健康なピンク色ではなく紫っぽい、あるいは白っぽい
✅急に激しく鳴き叫び、後ろ足を痛がる、または引きずるようにして動かせない
✅突然ぐったりして、呼びかけへの反応が薄い

特に、安静にしているにも関わらず呼吸が速い状態が続く場合は、心臓のポンプ機能が著しく低下し、肺水腫を起こしている可能性があります。

また、後ろ足を急に痛がって動かせなくなる症状は、心臓の中にできた血栓が血流にのって血管に詰まってしまう「動脈血栓塞栓症(どうみゃくけっせんそくせんしょう)」の典型例です。激しい痛みを伴い、一刻を争う状態ですので、絶対に放置してはいけません。

循環器科の症例についてはこちら

 

【❤猫の心臓検査でわかること】

猫の心臓病は、健康診断の聴診で「異常なし」と言われていても、実は病気が隠れているケースが否定できません。
心臓の健康状態を正しく評価するためには、いくつかの検査を組み合わせる多角的なアプローチが必要です。

当院では、猫ちゃんの体調やストレスに配慮しながら、以下のような心臓検査を行っています。

❤超音波(エコー)検査
心臓の筋肉の厚みや、部屋の広さ、リアルタイムでの動き、血液の流れ方に異常がないかを詳細に確認します。猫の心筋症診断において最も重要な検査です。

❤レントゲン検査
心臓の全体的な大きさや形に加え、肺や気管の状態を映し出します。
肺水腫の有無を確認するためにも欠かせません。

❤血圧測定
高血圧は心臓に大きな負担をかけます。
特に猫では、他の病気と合併して血圧が上がることが多いため重要な検査です。

❤血液検査
心臓に負担がかかると上昇する特定のバイオマーカー(NT-proBNPなど)を測定することで、目に見えない心臓のダメージを数値化できます。
同時に、全身の健康状態も把握します。

心臓検査は、単に病名をつけ、診断するためだけのものではありません。
「今の心臓がどれくらい頑張れているのか」を正しく把握し、治療を開始する最適なタイミングを見極めるためのものなのです。

 

【❤猫の心臓病は予防できる?|ご家庭のチェックで早期発見を】

猫の心臓病は予防できるものなのでしょうか?
…残念ながら、猫の心筋症は生活習慣やキャットフードの工夫だけでは完全に発症を防げるものではありません。
心筋症の多くは、遺伝的な要因や生まれ持った体質が深く関係していると考えられているからです。

そのため、猫の心臓病においては、発症そのものをゼロにすることではなく、「一日でも早く見つけて、重症化や悪化を防ぐこと」を意識しましょう。

そして、飼い主様ができる有効な手段は、愛猫の日常を観察して記録を付け、定期的な健康診断を受けさせることです。

 

【❤家庭でチェックしておきたいポイント】

今日からでも始められる、ご家庭でのチェックポイントをまとめました。

🔸安静時の呼吸数
猫ちゃんが深く眠っている時、あるいは完全にリラックスしている時に、1分間に何回呼吸をしているか数えてみてください。
胸が「膨らんで、戻る」を1回と数えます。一般的に、1分間に30回未満であれば安心ですが、もし40回を超えている場合は注意が必要です。

🔸食欲や体重の変化
定期的に体重を測り、ご飯の食べ具合をメモしておきましょう。
いつもよりも食べが悪いと感じた場合は、何らかの不調があるかもしれません。

🔸遊び方やジャンプの変化
おもちゃへの反応や、お気に入りの場所への飛び乗り方に変化がないか観察します。

🔸寝る場所や姿勢の変化
ある日から突然、香箱座りのままじっとしている時間が増えたなど、少しでも違和感があれば記録しておきましょう。

🔸多飲多尿など、他の病気を疑う変化
お水を飲む量や、おしっこの量が急に増えていないかを確認します。

特に、7歳以上の中高齢期を迎えた猫ちゃんでは、心臓病だけでなく、慢性腎臓病や甲状腺機能亢進症といった他の病気が隠れていることも珍しくありません。
甲状腺の病気によって高血圧になり、これが心臓に更なる負担をかけてしまうという悪循環も起こり得ます。

だからこそ、日頃の変化を記録しつつ、シニア期に入ったら年に1~2回、心臓の評価も含めた総合的な健康診断を受けていただくことが、愛猫の命を守ることに繋がります。
当院ではCATドックというお得な健診プランをご用意していますので、そちらもぜひご活用ください!

 

【❤さいごに】


今回は
・猫の心臓病に多い「心筋症とは」
・心筋症のメカニズムとリスク
・猫の心臓病の初期症状とサイン
・猫の心臓検査でわかること
・猫の心臓病は予防できる?
・家庭でチェックしておきたいポイント

上記についてお話しました。

猫の心臓病は、犬に比べて症状が目立ちづらく、いつもそばにいる飼い主様であっても、初期の段階で見つけるのは簡単ではありません。
しかし、「最近ちょっと元気がないけれど、年齢のせいかな」「少し大人しくなっただけだろう」と見過ごさずに、日頃の呼吸状態や行動を優しく見守ってあげてください

心臓病は、早期発見が出来れば、心臓の負担を減らす取り組みをより良いタイミングで始められます。
大切なご家族の一員である猫ちゃんが、長く健康な日々を過ごせるよう、真摯にお手伝いさせていただきます。

愛猫の行動の変化が気になっている方や、心臓検査について詳しく知りたいときは、ぜひお気軽に当院までご相談ください。

 

■心臓病に関連する症例紹介はこちら
肥大型心筋症
拡張型心筋症
肺水腫
僧帽弁閉鎖不全症

 

■当院の予約はこちら
電話番号:0463-84-4565
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