症例紹介
犬・猫の免疫介在性溶血性貧血の原因と症状、治療について|獣医師が解説|秦野市のみかん動物病院
神奈川県秦野市・伊勢原市・平塚市・中井町・二宮町・小田原市の皆様こんにちは。
神奈川県秦野市のみかん動物病院、獣医師森田です。
犬や猫の免疫介在性貧血は、自己免疫が自分の赤血球を破壊してしまうことにより起こる貧血です。放置していると亡くなるリスクが高い病気であるため、気をつけなければなりません。
本記事では、犬猫の免疫介在性溶血性貧血について詳しく解説していきます。
免疫介在性溶血性貧血の原因
免疫介在性貧血の原因は、何らかの原因で自己免疫が赤血球を破壊してしまうことが挙げられます。
ただし「どうして自己免疫が自身の赤血球を攻撃してしまうのか」についての詳しいメカニズムは、はっきりとはわかっていないのが現状です。
炎症やワクチン、腫瘍、感染などが関与しているとも言われています。
免疫介在性溶血性貧血の症状
免疫介在性溶血性貧血の症状は以下の通りです。
・元気食欲がない
・可視粘膜が蒼白になる
・尿の色が濃い
・発熱
・黄疸(目の白い部分や皮膚が黄色くなること)
貧血を起こすことにより、口腔粘膜が白っぽく見えることがあります。
また、尿の色が濃い血色素尿が見られたり、黄疸が見られたりします。
こうした症状が見られた際には、すぐに動物病院に連れて行くようにしてください。
免疫介在性溶血性貧血の診断方法
免疫介在性溶血性貧血の診断方法は、以下の通りです。
・血液検査
・身体検査
・尿検査
・画像検査
特に血液検査が重要であり、採取した血液塗沫を観察したり、自己凝集を起こすかどうかを確認したりします。
また、クームス試験と呼ばれる赤血球表面の抗体の有無を判断する検査を行うこともあります。
免疫介在性溶血性貧血の治療方法
免疫介在性溶血性貧血の主な治療方法は、以下の通りです。
・免疫抑制剤
・ステロイド剤
・輸血
・酸素吸入
・抗生剤
・ヒト免疫グロブリン製剤
免疫抑制剤やステロイド剤を使用して、自己免疫の働きを抑えます。
上手くコントロールできれば、再発に注意しながら、徐々に薬の量を減らしていきます。
貧血が重度の場合には、輸血が必要です。
そのほか状態に合わせて、酸素吸入や抗生剤、ヒト免疫グロブリン製剤などを使用する場合があります。
免疫介在性溶血性貧血の予防方法
免疫介在性溶血性貧血は、原因がはっきりとしていないため、予防することが困難な病気です。そのため、飼い主さんの早期発見・治療が大切になります。
普段から愛犬の様子をしっかりと観察し、異変がないかどうかを確認するようにしてください。
特に口の粘膜の色が白くないか、黄疸が出ていないかなど免疫介在性溶血性貧血に特徴的な症状に注目してチェックしてみると良いでしょう。
まとめ
本記事では、犬や猫の免疫介在性溶血性貧血について詳しく解説しました。
免疫介在性溶血性貧血は、放置していると亡くなってしまうこともある危険な病気であり、飼い主さんの早期発見が大切な病気です。
普段からペットの様子をしっかりと観察して異変を認めた際には動物病院を受診するようにしてください。
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<参考文献>
獣医内科学第2版 p510