呼吸器科
こんな症状はありませんか?
- 咳をしている
- 呼吸音がガーガーする
- ペットショップやブリーダーさんから来て咳をずっとしている
- 寝ている時のいびきがうるさい
- 口を開けて呼吸をする
- 運動後や興奮時には症状がさらにひどくなる
- 鼻水・くしゃみがひどい
- 目の腫れがある
- ヨダレが多い
- 発熱している
- 元気が無く、食欲も低下している
このような症状がみられたら、呼吸器科の病気の可能性があります!
考えられる病気・疾患について
犬の主な病気・疾患
気管虚脱
気管は丸い筒状の形をしており、肺へ空気を送る働きをしています。気管虚脱とは、気管が本来の強度を失ってつぶれ、空気の流れが悪くなる病気です。重症になると、気管が完全につぶれ、息を吸う事も吐く事もできなくなります。小型の高齢犬に多いと言われており、猫ではほとんどみられません。鎮咳剤(咳止め)や気管支拡張剤などを投与し、症状を緩和します。根本的な治療のために、外科手術を行う場合もあります。脂肪が気管を圧迫する事があるため、肥満の場合は体重を減らす事も必要です。呼吸困難がおこりやすくなるため、過度な興奮や運動は避ける必要があります。
このような症状が出た場合、ご連絡ください
- 咳をする
- 呼吸音がガーガーする
犬伝染性鼻気管炎(ケンネルカフ)
呼吸器の感染症で、乾いたがんこな咳をおこします。感染力が強く咳によって容易にうつります。病原体は複数あり、その中の1種または複数に感染する事で発症します。一部の病原体はワクチンで予防できますが、ワクチンでは予防できない病原体もあります。このため、ワクチンを接種しても発症する事がありますが、接種していると、発症しても症状の重症化が防げる可能性が期待できます。子犬に多い病気です。通常、抗生物質などの投与を行います。重症の場合は入院が必要な事もあります。治療期間は病原体によって、1~3週間とさまざまです。空気の乾燥している冬場はウイルスが活性化しやすいため、保温、保湿を心がけ、咳をしている犬との接触は避けましょう。
このような症状が出た場合、ご連絡ください
- ペットショップやブリーダーさんから来て咳をずっとしている
軟口蓋過長症
軟口蓋とは犬の上あごの奥にのびている柔らかい部分、人間でいうとちょうど喉ちんこの部分にあたります。この軟口蓋の部分が長くなると呼吸をするときに気道を塞いでしまいます。このように犬の軟口蓋が正常に比べて長くなってしまう病気を軟口蓋過長症とよんでいます。症状がひどくなると、呼吸困難になったり体温調節ができずに熱中症になったり、さらには突然死に発展してしまうこともあります。重症例は外科的に軟口蓋切除術を行います。また当院では、鼻腔拡張術も同時に行っております。
このような症状が出た場合、ご連絡ください
- 寝ている時のいびきがうるさい
- 口を開けて呼吸をする
- 運動後や興奮時には上記の症状がさらにひどくなる
猫の主な病気・疾患
上部気道感染症(猫かぜ)
人の風邪症状と類似した症状が生じる感染症です。原因の90%はヘルペスウイルスの一種である猫鼻気管炎ウイルス(FVR)と、猫カリシウイルス(FCV)と言われています。その他、クラミジア、マイコプラズマ、細菌の二次感染などが原因となります。感染しても発症しない事も多いですが、幼若、ストレス状態、免疫低下状態では発症する危険性が高くなります。くしゃみや鼻水などの呼吸器症状、元気食欲の低下、発熱、目の腫れや赤み、目ヤニ、よだれなどがみられます。また、FCVはひどい口内炎(口腔内潰瘍)や軽度の肺炎などを引き起こします。症状が改善した後も、病原体は完全に排除されず、周りの猫に飛沫・接触感染で拡大していきます(人にはうつりません)。涙、鼻水、鼻づまりなどの症状が数年にわたり続く事も多くあります。この病気の予防にはワクチン接種が有効です。インターフェロン・抗ウイルス剤を用いてウイルスの増殖を阻止したり、細菌の二次感染に対して抗生物質を使用したりします。衰弱や脱水などがある場合は補液等が必要な事もあります。
このような症状が出た場合、ご連絡ください
- 鼻水
- くしゃみ
- 目の腫れ
- ヨダレ
- 発熱
- 元気、食欲低下
猫喘息
気道は、口や鼻から取り込んだ空気を肺に送る役割をしています。ほこり、花粉、薬物、食べ物などが原因物質(アレルゲン)となり、それらが猫の体の中に入って、小気管支や細気管支を刺激したり、収縮させる事が原因で、気管支(気道の一部)の肺に近い細い部分(小気管支や細気管支)が更に狭くなってしまい、呼吸困難などをおこす病気です。重症になると、人の喘息と同じように、ゼーゼーというあえぐような呼吸を繰り返します。治療にはステロイドや気管支拡張薬などを使用します。
このような症状が出た場合、ご連絡ください
- 咳
- 喘息様発作
呼吸器科治療3つの特徴
的確な判断と迅速な処置
呼吸器疾患は緊急を要するものもあります。苦しそうにしているなどありましたら受付にてお声をおかけください。状態によっては診察までICU酸素室に入ってもらいます。
診断に必要な検査
当院では、レントゲン検査、超音波検査にて診断を進めていきます。必要に応じて専門医の紹介にて気管支鏡検査や、CT検査などが必要になる場合がございます。
自宅でのケア
病態によっては、自宅での酸素室の設置やネブライザー処置が必要になる場合もあり、スタッフによるサポートも行っております。
呼吸器科治療の流れ
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STEP01受付・問診
受付にて、スタッフから問診を取らせていただきます。呼吸状態や咳などのご様子をお伺いしたり、状態を拝見させていただきます。来院時やお待ちいただいている間にぐったりしたり呼吸が早い時には先に酸素室でお預かりや先に処置をさせていただきますので、お気軽にスタッフにお声がけください。
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STEP02身体検査
聴診をしっかり行い、心臓に雑音がないか、不整脈がないか、呼吸音に異常がないかなど確認していきます。身体全体の視診や触診もさせていただき、心不全の兆候や他の異常がないか確認をしていきます。
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STEP03検査
問診や身体検査から状態に応じてレントゲン検査、超音波検査、血液検査などをお勧めさせていただきます。呼吸状態が悪い場合は、酸素を吸入させながら検査をおこなったり、状態を安定させる治療をして落ち着いてから検査をしていく場合もございます。
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STEP04検査結果の説明・治療方針のご相談
検査結果から、どのような心臓の疾患があり、どの様な治療が必要になるのかなどご説明させていただきます。高齢のワンちゃんで多い僧帽弁閉鎖不全症に対しては、世界的な診断治療基準であるアメリカ獣医内科学会(ACVIM)に基づいて治療をご提案します。また心臓外科が必要な場合は2次診療施設のご紹介もさせていただきます。
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STEP05お会計・次回の予約
お会計、お薬のお渡しは受付にてさせていただきます。次回の診察日は状態に応じて数日後から1ヵ月を目安にお伝えさせていただきます。