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老犬介護はいつから?体の変化のサインと家でできるケアのポイントを獣医師が解説

犬の寿命が伸びたことで、介護が必要になるケースは年々増えています。
いつか訪れるかもしれない老犬介護に、不安を覚える飼い主様も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、老化とともに表れる体の変化(サイン)と、ご家庭でできる日々のケアのポイントを、獣医師がわかりやすく解説します。
「うちの子、そろそろかな?」と感じ始めた方は、ぜひ参考にしてください。
■目次
1.老犬介護はいつから始める?
2.老犬になると表れる体の変化(サイン)
3.見逃したくない「犬の認知症(認知機能不全症候群)」のサイン
4.家庭でできる老犬介護のポイント
5.外部のサービスも利用しながら、無理のない介護を
【🐶老犬介護はいつから始める?】

一般的には、7歳前後からシニア期に入ると言われています。
ただし、体の大きさや犬種によって老化のスピードには個体差があり、何歳からと一概には言えません。
大切なのは年齢そのものよりも「体の変化のサインに早めに気づくこと」です。
サインが見え始めたら、本格的な介護が必要になる前から、少しずつ住環境や接し方を見直していきましょう。
早めの準備が、愛犬にとっても飼い主様にとっても負担の少ない介護につながります。
【🐶老犬になると表れる体の変化(サイン)】
老化に伴う変化には個体差があり、すべての子に同じように表れるわけではありません。
その子によっては、あまり目立たない変化もあるでしょう。
「こんな様子が見られたら、年齢を重ねてきたサインかもしれない」という目安として、愛犬に該当するものがあるか確認してみてください。
<見た目の変化>
まず気付きやすいのが、白髪です。毛艶がなくなり、被毛がボサつきやすくなる子も増えてきます。白髪は目の周りなど顔に出やすいので、飼い主様が早めに気付くケースが多いでしょう。
皮膚もカサつきやすくなり、体表にイボができることもあります。
筋肉が減ってくると全体的に骨ばり、特にお尻が痩せて骨盤が出て見える子も。
姿勢の変化も加わって、少しずつ年齢を感じさせる雰囲気になっていきます。
<行動の変化>
筋力が衰えてくると、散歩を嫌がるなど、運動に消極的になりがちです。
耳が聞こえにくくなり、呼んでも返事をしにくくなることも。ただし「ゴハン」のような本人にとって嬉しい言葉には、よく反応してくれたりもします。
視力が落ちてくると、物にぶつかりやすくなったり、歩くのを嫌がったりする様子も見られます。家の中は大体の場所を覚えているのでよく歩く一方、外に出ると動かなくなる、そんな変化が表れる子もいるでしょう。
<食事の変化>
食欲が落ちたり、選り好みが激しくなったりする子もいます。
今まで好きだった物を急に食べなくなったり、嫌がらずに飲んでいた薬を飲まなくなったり、こうした変化が表れることもあります。
【🐶見逃したくない「犬の認知症(認知機能不全症候群)」のサイン 】
老化に伴い、犬にも認知症(認知機能不全症候群)が表れることがあります。
次のような様子が見られたら、認知機能の低下を疑いましょう。
• 目的もなく同じ場所をぐるぐる歩き回る(徘徊)
• 夜中に鳴き続ける(夜鳴き)
• 昼夜が逆転する
• 名前を呼んでも反応が鈍くなる
• トイレ以外の場所で排泄するようになる
• 壁や家具の隅で立ち止まり、動けなくなる
これらは「年のせい」と見過ごされがちですが、進行を穏やかにするための食事療法やお薬、生活環境の工夫がある場合もあります。
気になる様子があれば、早めに動物病院へご相談ください。
【🐶家庭でできる老犬介護のポイント】
必要とされる介護は、その子の状態によってさまざまです。愛犬に少しでも穏やかに過ごしてもらうためのポイントをまとめました。
<食事のケア>

食事のサポートは、その子の状態によって必要な工夫が変わってきます。
・自分で食べる力がある場合は、特別な指示がなければ、消化の良いシニア用フードがおすすめです。
ドライフードと缶詰を混ぜて小さな団子状にすると、口に運びやすくなる子もいるでしょう。
・首を曲げて食べるのが辛そうであれば、食器の位置を高くすると食べやすくなります。
・立つのは難しいけれど食べる意欲はある子なら、飼い主様が体を支えながら、食器から食べさせてあげる方法もあります。
・寝たきりで自分から食べるのが難しい場合は、流動食を少しずつ口に入れる方法があります。ただし、急いで入れすぎると気管に入り、誤嚥性肺炎や窒息を起こす危険があるため、流動食を始める際は、必ず獣医師に方法を教わってください。
・飲み込む力が弱った老犬では、食べ物や水分が誤って気管に入り、肺炎を起こしてしまうことがあります。食事中や食後にむせる、呼吸が苦しそう、元気や食欲が急に落ちた、そんな様子に気付いたら、早めにご相談ください。
このように、食事の選択肢はその子の状態によってさまざまです。状態に変化が見られたら、その都度かかりつけの獣医師に相談しながら、合った方法を選んでいきましょう。
<運動のケア>
若い頃のような激しい運動はできませんが、体を動かさないと筋肉がどんどん減ってしまいます。
自分で動けるようであれば、休憩をとりながら無理のない範囲で散歩をさせてあげましょう。
寝たきりで動けない場合は、痛みがないようであれば、飼い主様が腕や足をやさしく屈伸させて、少し体を動かしてあげるのもよいでしょう。動かし方に不安があるときは、その子に合ったリハビリの方法をご案内できますので、お気軽にご相談ください。
また、滑りやすい床は関節に負担をかけます。カーペットやマットを敷いて、滑りにくくしてあげてください。
<寝床のケア>
寝たきりの場合、硬いところで同じ姿勢のまま寝ていると、床ずれを起こしてしまうことがあります。
衝撃を分散するベッドマットを敷いてあげるとよいでしょう。マットには低反発タイプや高反発タイプなどがあり、その子の体格や状態によって適したものは変わります。どれが合うか迷うときは、お気軽にご相談ください。
また、定期的に姿勢を変えてあげることも床ずれ予防に役立ちます。姿勢を変える間隔も、その子の状態によって調整できる場合がありますので、こちらも合わせてご相談いただければと思います。
寝たきりでなくても、寝床は本人が安心できる場所に置いてあげましょう。一人で静かに過ごしたい子もいれば、少し騒がしくても家族が集まる場所にいたい子もいて、好みはさまざまです。
<住環境のケア>
年をとると体温調節が苦手になるので、温度管理に気を配ってあげてください。
自分で快適な場所に移動できない子もいるので、暑くないか・寒くないかをよく観察しましょう。
また、隙間に挟まって動けなくなる事故や、家具にぶつかった拍子に上の物が落ちてくる事故もよく聞きます。
やわらかいマットで隙間をガードし、ぶつかって落ちそうな物は置かないようにしましょう。
犬の周りを円形のケージで囲うのも一つの方法です。また、ジョイントマットを円形につないだり、ビニールプールを使用するなど、ぶつかっても痛くないやわらかい素材を活用するのもおすすめです。
<排泄のケア>

筋力の衰えで排泄の姿勢をとるのが難しい場合は、腰を支えてあげましょう。
トイレの失敗が増えても、怒らないことが大切です。トイレの回数や設置数を増やすなどで対応してあげてください。
オムツが必要になる場合もありますが、蒸れやすいのでこまめな取り替えを心がけましょう。
また、オムツそのものを嫌がる子も少なくありません。そんなときは無理に着け続けず、こまめなトイレ誘導と組み合わせるなど、その子に合った工夫を探してみてください。
【🐶外部のサービスも利用しながら、無理のない介護を】

介護がどのくらい続くかは、その子の状態によってさまざまです。
場合によっては長く続くこともあり、その中で疲れを感じてしまう飼い主様もいらっしゃいます。
「最期まで一緒にいてあげたい」…その気持ちはとても大切ですが、頑張りすぎて飼い主様ご自身が体調を崩してしまっては、愛犬も安心できません。完璧を目指しすぎなくて大丈夫です。
そんなときには、ペットシッターや動物病院の預かりサービスなど、負担を軽くする方法も検討できます。
「少し疲れてきたかも」と感じたら、一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。
飼い主様の心のリラックスが、愛犬のリラックスにつながります。
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