症例紹介
気胸
気胸は犬や猫でよく見られる呼吸器の病気です。
発症すると胸の中に空気が溜まってしまい、呼吸がうまくできなくなってしまいます。
重度の場合は呼吸困難により亡くなってしまうこともあるため注意が必要です。
今回は犬や猫における気胸の症状や原因、治療法、予防方法などについて詳しく解説していきます。
気胸の症状
気胸になると、呼吸が荒い、横になるのを嫌がる、血色が悪いなどの症状が見られます。
これらの症状が見られる場合は気胸をはじめとした呼吸器の異常を生じている可能性があります。
急を要することも多いため、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
気胸の原因
気胸の原因は外傷性、医原性、自然発生性、感染性の大きく4つに分けられます。
外傷性
交通事故やケンカにより引き起こされます。胸壁に穴が開くことで胸の中に空気が溜まってしまいます。
医原性
治療のために胸に針を刺した場合や全身麻酔をかけた際に気管チューブを入れて気管に傷
がついてしまった場合などに発生します。
自然発生性
外傷がなく、自然に肺から空気が漏れ出てしまった場合に引き起こされます。
肺炎や腫瘍などの病気に伴い発生することがあります。
感染性
ガスを産生する細菌の感染により引き起こされます。発生は非常にまれです。
気胸の治療法
基本的には入院治療が必要で、入院中は酸素室に入れて安静にさせます。
症状が重度の場合は胸に針を刺して胸の中に溜まった空気を排出させる処置や胸腔ドレーンの設置、採血した血液を胸腔内に注入する処置などが必要になる場合もあります。
気胸の原因によっては交通事故による骨折やケンカによる咬み傷、引っ掻き傷を伴うことも多いため、それらが認められる場合にはその治療も並行して行います。
気胸の予防法・自宅での対処法
気胸の原因のほとんどは交通事故やケンカによる外傷です。
そのため、犬の散歩をするときはリードをしっかり握って交通事故に遭わないよう気をつけ、猫は自宅から外に出さないようにすることが最も有効な予防法です。
自宅で気胸を疑うような症状を確認したら、なるべく安静にさせましょう。
その際は、ケージなどに入れておくといいでしょう。
そしてなるべく早く動物病院を受診するようにしましょう。
まとめ
気胸は胸の中に空気が溜まってしまうことで呼吸困難を引き起こす病気です。
発症すると呼吸が荒くなり、入院治療が必要になります。
気胸の原因のほとんどは外傷性であるため、犬の散歩中の交通事故に気をつけることや、猫を外に出さないようにすることが大切です。
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<参考文献>
文永堂出版 獣医内科学 第2版