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患者さん向け医院コラム

犬と猫のけがに備える!|緊急時の対処法と準備しておくもの

神奈川県秦野市・伊勢原市・平塚市・中井町・二宮町・小田原市のみなさまこんにちは!

神奈川県秦野市のみかん動物病院、愛玩動物看護師の若月です🍊

 

ワンちゃんやネコちゃんと暮らしていると、突然のけがや緊急事態に見舞われることがあるかもしれません。
そんな時、素早く冷静に対処するためには、日頃からの準備や心構えが不可欠になります

今回は、犬や猫のけがによる緊急事態に備えて、良くあるケースの解説や応急処置についてお話していきますので、いざという時のためにぜひお役立てください😌

 

けがをしやすい状況とはどんな時??】

ワンちゃんやネコちゃんがけがをしやすい状況は様々ありますが、室内と室外で起こりうる怪我に分けてお話していきますね。

 

🏠室内で多いけがとは??>

高いところからの落下、ドアに挟まってしまう、踏んでしまう…などなど。
また、お家での爪切りや、ハサミやバリカンを使ってのカットの際にうっかり皮膚を傷付けてしまった…なんていう子もいたりします。

火傷も室内で多いけがのひとつです。
熱いお茶や料理中の鍋、冬場は電気ストーブなどで火傷をすることがあり、特に猫ちゃんは台所に登ってしまう子も多いため注意が必要です💦
加えて猫は狭い隙間や穴に入り込むのが好きですが、入ったはいいものの出られなくなり、パニックになった結果、無理矢理抜け出そうとしてけがに繋がる場合もあります。

また年齢により足腰の弱ったワンちゃんやネコちゃんは、まさかと思うようなちょっとした段差につまずいて転んだり、ちょっとした隙間に挟まって抜け出せなくなったり。
旋回してしまう子は後ろに下がることができないので、ちょっとの角でもはまってしまって抜け出せなくなります。
それでも本人は角に向かって進み続け、どうにか自力で抜け出そうともがき続けることで体力が消耗し、気付いたときにはぐったりしていた…なんてこともあるので、実は結構怖いんですよ…💦

そうならないために、プラ板などを使って図の青い部分のように設置しサークルの角を丸くしてあげたり(図1)、円形に近いサークル(図2)を用意してそこに入れてあげることで、行き止まりにはまって動けない…というトラブルから回避できます。

 

 

<室外で多いけがとは??>

室外では交通事故や、他の動物とのケンカが原因でけがをしてしまうことがあります。

さらにガラスの破片や釘、尖った石などを踏んでしまうことによって足をけがすることもあります。今のこの暑い夏の時期ですと、熱々になったアスファルトやマンホールをお散歩中に踏むことによって肉球に火傷を負う子もいるので、お散歩のタイミングには十分注意していただきたいと思います。

 

けがの種類と緊急度の判断方法とは??】

<切り傷・擦り傷などの外傷>

出血している場合、まずは清潔な布やガーゼで2分程度押さえ、圧迫止血を行ってください。
そのまま出血が止まってくれれば、それほど緊急性は高くありません。
しかし、出血がなかなか止まらない場合や、犬や猫がだんだん元気をなくしていくなどの異変が見られる場合は緊急性が高いと考えられます。このような場合はすぐに動物病院に連絡しましょう💨

 

<外傷はないが足を引きずっている>

犬や猫が足を引きずり激しく痛がる場合や、気付いたら突然後肢がだらんとしてほふく前進していた場合、患部が腫れて熱を持っている場合、足を地面につけることができずに挙上してしまっている場合などは、骨折や血栓、ヘルニアなどの比較的緊急度の高い状況が疑われますので、こちらもすぐに動物病院に連絡しましょう。

 

<やけど>

やけどの場合はどの様な状況でも緊急度が高いと考えられ、すぐに対処が必要になります。
まずは、火傷した部分を冷やすために冷水で洗い流し、その後清潔な布で覆い、速やかに動物病院に連絡して適切な治療を受けるようにしてくださいね。
詳しい応急処置については次項でお話します

 

緊急時の応急処置の方法とは】

<切り傷・擦り傷などの外傷>

前項でもお伝えしたように、まずはしっかりと圧迫止血を行いましょう。
傷口の汚れがひどい場合は、そのままにしておくと傷口からの感染リスクが高くなります。
たとえ出血が止まっていたとしても、汚れがついている場合は傷口の洗浄をしっかりと行った方が良いので、出血の有無にかかわらず必ずご来院くださいね。

また、患部の痛みが強い場合は圧迫止血を行おうとすると、痛みから噛みついてくる可能性もあるので十分注意してください。
圧迫止血を行うのが難しい場合は無理に行おうとせず、安全第一でご来院ください。

 

<外傷はないが足を引きずっている場合>

まずは愛犬や愛猫をできるだけ動かさないようにすることが大切になります。
無理に動かそうとすると悪化の原因になる可能性があるので、移動の際はキャリーケースやベッドの上などに乗せて動きを制限し、できるだけ安静に保ちましょう。
そして速やかにご来院いただき、適切な処置を受けるようにしてくださいね。

 

<やけど>

やけどをした場合、まずは冷やす事
そうすることで火傷の進行を遅らせ、痛みを和らげることにもつながります。
お風呂場のシャワーで流水を当てて冷やすのが好ましいですが、お風呂場を怖がってしまう子も多いですよね。なのでそういった場合は無理にシャワーを当てなくても大丈夫!
保冷材やビニール袋に氷を入れたもので患部を冷やしながら、すぐに動物病院に連絡して向かってくださいね。

 

動物病院連絡するタイミングと必要な情報とは??】

緊急度の高い状況では、応急処置を行いながらも同時に動物病院へ連絡することが大切です。
万が一、やむを得ずすぐに動物病院への連絡が難しい場合でも、可能な限り早くご来院ください。
その際、受傷から来院時までにどのような状況の変化があったのかが重要になりますので、ぜひ次で紹介するポイントもチェックしていただけたらと思います

では実際動物病院に連絡する際には、どのようなことを伝えたらよいのでしょうか。

どの様な状況で怪我をしたのか
「大人が抱っこした位の高さから落ちた」「他の犬と喧嘩して噛まれた」
「熱いお茶をこぼしてしまった」「気付いたら足を引きずっていた」…などなど。

 

怪我をしてどれくらいの時間が経過しているのか
「〇時間前に怪我をした」「出かけていた〇時から△時の間で怪我をした」「今朝起きたら怪我をしていた」…などなど。

 

時間の経過とともに怪我の具合は良くなっているのか、悪くなっているのか
「出血が止まらない」「腫れが酷くなっている」「少しずつ回復しているように見える」…などなど。

 

怪我の他にぐったりしているなどの体全体の異変はあるのか
「ぐったりしていて動かない」「呼吸が早い」「震えている」「食欲がない」「吐いている」…などなど。

 

持病は持っているのか
「心臓病がありお薬を飲んでいる」「糖尿病がある」「てんかん持ちである」…などなど。

 

これらの情報を事前に教えていただけると、緊急時にも迅速かつ的確に対応することができ、動物病院での診察がスムーズに進みます。

 

緊急時に備えて準備しておくといいものは??】

万が一の緊急時に備えて、以下の様なものを準備しておくと安心です😉

キャリーケース
犬や猫を運ぶ際に安静を保つために。
無理なく伏せられるくらいのサイズがベストです。

 

エリザベスカラー
自分で傷口を舐めてしまうのを防ぐため。
痛みから噛みついてくる場合にも、安全のために着用できると安心です。

 

大きめのタオル
興奮して暴れてしまうワンちゃんネコちゃんを安全に捕まえられるように、
厚さがあって体をすっぽりと覆えるサイズのタオルがあると安心です。

 

氷嚢や保冷剤
患部を冷やすことができるもの。
熱中症の時などにも活用できます。

 

清潔なタオルやガーゼ
受傷時の洗浄に役立ちます。

 

 

緊急時の移動方法と注意点】

緊急時の移動には必ずクレートやキャリーケースに愛犬や愛猫を入れて運ぶようにしましょう。
受傷した際の興奮や痛みでパニック状態の動物は、突発的に逃げ出そうとしたり、思いもよらない力で暴れたりすることで、さらなる事故につながる可能性があります。
動物や私たち飼い主の安全のためにもぜひ活用して下さい。
もし移動用のケージがない場合は、段ボールなどを使用して脱走を防ぎましょう。
猫ちゃんの場合は洗濯ネットも活用できます。

車での移動時は、クレートやキャリーケースをしっかりと固定することも大切です。
シートベルトを利用したり、同乗者にしっかりと支えてもらうことで、移動中の揺れを最小限に抑えるようにしましょう。

関連記事:愛犬や愛猫を動物病院へ連れて行く際の注意事項とは

 

さいごに】

飼い主様がどんなに気を付けていても、ワンちゃんやネコちゃんが予想外の行動を取り怪我をしてしまうことがあります。
室内では日頃から整頓し、危険なものを片付けたり、危険な場所へは立ち入らせない工夫をすること。室外では目を離さず、常に安全を確認することを心がけましょう。

万が一の状況が起きた際には、焦らず迅速な対応がとれるように日頃から緊急事態に備えておくと安心ですね😉

 

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