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患者さん向け医院コラム

犬と猫の便秘について 病気が隠れていることも…!!?

神奈川県秦野市・伊勢原市・平塚市・中井町・二宮町・小田原市のみなさまこんにちは!
神奈川県のみかん動物病院、愛玩動物看護師の若月です🍊

犬も猫も人間と同じように便秘になるのはご存じでしたか??
便秘にも一過性のものから危険な病気によるものまで、その原因は様々です。
うんちは健康のバロメーターでもありますので、便秘が何日続いて、どんな状態の場合に病院に行った方がいいのか、今回の記事を読んでぜひ参考にしてみてくださいね🍀

では早速、犬や猫の便秘の原因と受診の目安、お家でのケアについて解説していきます!

 

💩なぜ便秘になるの??】

便秘」とはうんちが固くなって、出にくくなることです。
ウンチが全くでないことを便秘と思う飼い主様がいらっしゃいますが、“うんちが出にくい”、“うんちが固い”その時点で便秘だと考えていただいて問題ありません。

一般的には健康な犬や猫であれば1日に1~3回くらいうんちが出ますが、個体差や年齢によっても少し異なりますので、普段の回数はしっかり覚えておくと良いですね

よくある原因のひとつは水分不足です。
うんちの水分が足りないことで、腸内でスムーズに移動できなくなり、さらに腸内にいる間はずっと水分が吸収され続けるため、ますます固くなり、出にくくなります。
また、ストレスや運動不足からでも腸の動きが悪くなり、腸に溜まり続け水分が吸収され過ぎて便秘になるというパターンもあります。
このような原因の便秘は、多くは一過性で、食生活や生活環境を見直すことで自然と直ることがあります。

ただし、注意したい便秘は以下の様な病気の場合です。

🔹異物の誤食
🔹腸閉塞
🔹腸を圧迫する病気(腫瘍、前立腺肥大、骨盤骨折など)
🔹肛門周囲の異常(会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫、肛門嚢炎など)
🔹神経系の障害(椎間板ヘルニアなど)
🔹内分泌系の病気(甲状腺機能低下症・亢進症、上皮小体機能亢進症など)

などなど。実に様々な病気が原因で便秘が起こります。
また、便秘を放っておくと腸壁が伸び切って運動性を失う「巨大結腸症」になってしまうこともあり、こうなるとますます深刻な便秘に悩まされることになります…😨

このように、一言で「便秘」と言ってもその原因は様々で、症状や犬猫の様子だけで原因を探るのは大変困難なのです💦

 

◆当院の消化器科についてのご案内はこちらから
◆巨大結腸症の症例紹介はこち
◆骨盤骨折の症例紹介はこちら

 

【💩すぐに受診した方がいい便秘とは??】

便が少し固くて、踏ん張るときに時間がかかっていたとしても、ご飯をしっかり食べて元気にしていれば、少し様子を見ていただいても問題ありません。

しかし、以下の様な症状にあてはまる…という場合はお早めにご来院くださいね。

🔸2日以上便が出ない
🔸食べているのにうんちが全く出ない
🔸うんちをする時に痛そうにしている
🔸嘔吐がある
🔸元気や食欲がない
🔸便に血などが混ざっている
🔸おもちゃなどを誤飲した可能性がある
🔸お腹が張っている

「便秘程度で受診なんて…」と思われる飼い主様もいらっしゃるかもしれませんが、飼い主様から見て少しでも心配な様子があれば、基本的には受診をおすすめします。

 

【💩ご自宅でのケアの方法は??】

あまり水を飲んでいないなどの水分不足が思い当たる場合は、フードを水でふやかす、ウェットフードを利用する、飲み水に少量のヨーグルトを混ぜるなどして、水分を積極的に摂らせるような工夫をしてみましょう。
フードを変えたタイミングでの便秘であれば、フードを再検討する必要があるかもしれません。

また、運動不足が便秘の原因となる場合もありますので、お散歩の時間を増やしたり、お腹に円を描くようにマッサージをしてあげることで腸の運動を促すことができます。

特に猫ちゃんの場合、引っ越しや来客、近所の工事等での騒音など、ストレスがかかるような出来事があった場合は、緊張や恐怖から排泄を我慢してしまっている場合もあります。その際はストレスの原因からなるべく遠ざけ、様子を見てあげてください。
ただし、症状が続く場合は自己判断せず、獣医師にご相談くださいね📞

なお、滑りを良くするためにオイルを飲ませたり、市販の浣腸剤を使用するのは大変危険です。
膵炎を起こしてしまったり、浣腸剤の入れ方によっては腸粘膜を損傷し命に関わるような状態にまで陥ることがありますので絶対におやめください⚠💦

 

【💩さいごに】

今回は犬や猫の便秘について、その理由と受診の目安、お家でのケアについてお話ししました。
自分の不調を伝えられない犬や猫にとって、うんちは健康状態を伝える大切なメッセージです。
普段からうんちの状態もチェックしておきましょうね☝✨
ご家庭での判断は難しいと思いますので、いつものうんちと違うな…など、少しでも気になることがあればいつでもご相談ください。
その際、実物を見せていただいたりお写真を見せていただくとより分かりやすいので、すぐには捨てずにまずはお電話いただければと思います📞✨

 

◆当院の消化器科に関連する病気はこちらで解説しております
鼠径ヘルニア
直腸脱
内視鏡検査

 

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