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鼻腔狭窄症の原因と症状、治療について|獣医師が解説|秦野市のみかん動物病院

神奈川県秦野市・伊勢原市・平塚市・中井町・二宮町・小田原市の皆様こんにちは。
神奈川県秦野市のみかん動物病院、獣医師の森田です。

鼻腔狭窄症(びくうきょうさくしょう)とは、その名の通り、鼻の穴が狭くなることによって発生する様々な症状の状態を指します。特に、マズル(鼻と口の部分)が短い短頭種の犬、例えばパグ、シーズー、フレンチブルドッグによく見られる病気です。
これらの犬種は、遺伝的な特徴として鼻の構造が狭まりがちであり、呼吸に関連する問題を引き起こす可能性があります。

猫においても、ペルシャ、スコティッシュフォールド、ブリティッシュショートヘアなどの品種で同様の症状が見られることがあります。

今回は、犬や猫の鼻腔狭窄症について、実際の症例の写真も交えながらご紹介します。

 

■目次
1.鼻腔狭窄症とは?
2.鼻腔狭窄症のデメリットと改善するメリット
3.鼻腔狭窄症の原因
4.診断方法
5.治療方法
6.鼻腔狭窄症のビフォーアフター
7.まとめ

 

鼻腔狭窄症とは?

鼻の穴が生まれつき狭いため、空気の流れが悪くなり呼吸がしにくくなる疾患です。この症状はほとんどが先天性で、日常生活に多くの不便をもたらします。

この状態は目で見て鼻の穴が狭いことが確認できるほか、鼻から呼吸する際に「ブーブー」という音がすることが特徴的です。
また、激しい運動後や興奮時に、呼吸がしにくく、体温調節が難しくなることから、高体温になりやすいです。

 

鼻腔狭窄症のデメリットと改善するメリット

鼻腔狭窄症の犬や猫では、鼻の穴が狭いために空気の通りが悪く、呼吸困難を引き起こしやすくなります。この状態は呼吸による熱の発散も妨げるため、熱中症になるリスクも高まります

熱中症についてはこちらで解説しています

 

さらに症状が慢性化すると、軟口蓋過長症(喉の奥の組織が伸び、気道を塞ぐ病気)など他の呼吸器疾患を合併し、さらに呼吸がしにくくなってしまうケースもあります。

鼻腔狭窄症は外科手術で改善が可能です。手術によって鼻の穴を広げることで、呼吸が楽になり、呼吸困難や熱中症のリスクが減少します。

 

鼻腔狭窄症の原因

鼻腔狭窄症は主に先天性の要因によって発生しますが、顔面の外傷なども原因となることがあります。

特に、短頭種と呼ばれる、マズルが短い品種の犬や猫でこの病気が見られることが多く、これらの品種では先天的に鼻の構造が狭いために発症しやすいです。

 

診断方法

診断は、鼻の穴が狭まっているのを目視で確認することから始まります。
また、呼吸時に鼻から「ブーブー」と音がするのが特徴的な症状であり、このような現象が確認された場合、鼻腔狭窄症であると診断されます。

 

治療方法

外科手術により、物理的に鼻の穴を広げる治療を行います。この手術は、鼻の通りを改善することで、呼吸を楽にし、日常生活の質を向上させることが目的です。


鼻腔狭窄症が慢性化すると、軟口蓋過長症などの合併症を発症しやすくなるため、
早期の介入が重要です。
そのため、当院では避妊去勢手術を行う際に、予防的な目的で同時に鼻の手術を推奨しています。

 

鼻腔狭窄症のビフォーアフター

こちらでは、当院で実際に手術を行った症例の画像をご紹介します。

まとめ

鼻腔狭窄症は、特に短頭種の犬や猫に先天的に見られる疾患で、重度の呼吸困難や熱中症を引き起こし、場合によっては命に関わる恐ろしい疾患です。
幸い、この疾患は外科手術で比較的簡単に改善可能なため、慢性化する前の早めの処置をお勧めしております。

当院では、避妊去勢手術と同時に行う予防的な鼻の手術をご提案しています。
ご興味がある方は、ぜひ一度当院へご相談ください。

 

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