症例紹介

神奈川県秦野市・伊勢原市・平塚市・中井町・二宮町・小田原市の皆様こんにちは。
神奈川県秦野市のみかん動物病院、獣医師の森田です。

口腔ケアは、犬や猫の全身の健康を守る上で非常に重要です。しかし、犬や猫は人間に比べて歯垢が付着しやすく、歯垢は時間と共に硬化して歯石となります。これが放置されると歯肉炎や歯周病の原因となり、最悪の場合、抜歯や全身疾患につながる恐れもあります。

日常の歯磨きは非常に効果的ですが、すべての歯垢や歯石を自宅で完全に取り除くのは困難です。そのため、定期的に動物病院でスケーリング（歯石除去）を受けることが推奨されます。

今回は、歯石除去の重要性や、その具体的な方法について詳しく説明します。

 

■目次
1.スケーリング（歯石除去）とは？
2.歯垢と歯石の違い
3.歯石を放置するとどうなる？
4.スケーリングの手順
5.スケーリング後のアフターケア
6.スケーリングの頻度はどのくらい？
7.まとめ

 

スケーリング（歯石除去）とは？

スケーリングとは、歯の表面に付着した歯石を除去する処置のことです。
歯石は、口腔内の細菌と食べかすが結びついて、時間とともに石のように硬くなったもので、これを取り除くことにより、歯肉炎や歯周病などの口腔内疾患のリスクを大幅に減らすことが可能です。

 

歯垢と歯石の違い

歯垢と歯石はどちらも口腔健康に悪影響を与えますが、その性質と対処方法には大きな違いがあります。

歯垢は、口腔内の細菌と食べかすが混ざり合って形成される粘着性のバイオフィルムです。非常に柔らかく、定期的なブラッシングで除去することが可能です。
1mgの歯垢には約10億個の細菌が含まれているとされており、これが歯の表面に付着すると、歯肉の炎症やその他の口腔内疾患の原因となります。

歯石は、除去されなかった歯垢が石灰化して硬くなったものです。歯垢は約4日間で歯石に進行し、一度形成されると普通のブラッシングでは除去することができず、専用の機器を用いて取り除く必要があります。
歯石が形成されると、さらに多くの細菌が蓄積しやすくなり、歯周病などの更なる口腔内問題を引き起こす原因となります。

 

歯石を放置するとどうなる？

歯石を放置すると、以下のような健康リスクが生じます。

・歯周炎：歯石が蓄積することによって歯と歯肉の間に隙間ができ、細菌が蓄積します。これらの細菌は有害な毒素を分泌し、歯肉の炎症を引き起こします。
炎症が進行すると歯肉からの出血や膿の蓄積が見られ、最終的には歯周組織が破壊されます。

・歯の喪失：歯周炎が進行すると顎の骨が溶けてしまい、歯が抜け落ちてしまいます。

・全身への影響：口腔内の細菌が血流に入り込むことにより、心臓病、腎臓病、肝臓病など、他の重要な器官への悪影響が及ぶことがあります。

 

スケーリングの手順

歯石除去の手順は以下の通りです。

①表面の歯石除去
まず、スケーラーを使って歯の表面に付着した歯石を取り除きます。 同時に歯周ポケットの深さもチェックします。

②歯周ポケットの掃除
キュレットを使用して、歯周ポケットの内部を清掃し、隠れた歯石や細菌を取り除きます。 

③研磨
最後に、研磨剤を使って歯の表面を磨き、滑らかにします。これにより、新しい歯垢が付着しにくくなります。 

 

スケーリング後のアフターケア

スケーリング後、約3日くらいしたら自宅での口腔ケアを再開しましょう。
スケーリングできれいになった歯も、油断するとすぐに歯石が付着してしまうため、毎日の歯磨きは欠かさないようにしましょう。

歯磨きが苦手で自宅だと上手くできない…という場合は、口腔内の細菌数を減らす作用のあるはみがきペーストやサプリメントのご用意がありますので、ご希望の方はお気軽にお声がけください。サンプル品をお渡しいたします。

 

スケーリングの頻度はどのくらい？

スケーリングの推奨頻度は、犬や猫の状態により異なりますが、一般的には半年から１年に一度が理想です。定期的なスケーリングにより、歯周病の予防と口腔内の健康維持が可能です。

 

まとめ

スケーリングは、愛犬や愛猫の口内の健康を維持するために非常に重要な処置です。歯石を放置すると、歯周病や全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。定期的な口腔ケアとスケーリングを行うことで、愛犬や愛猫の健康を守り、長く幸せな生活を送らせてあげましょう。

当院では日帰りでの処置も可能です。口腔ケアに関するご相談やスケーリングのご予約は、当院までお気軽にお問い合わせください。

 

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