症例紹介

脳・神経科

脳炎

犬と猫の脳炎は、脳の実質や脳を包む髄膜に炎症が起こった状態です。
本記事では、犬と猫の脳炎の原因、症状、診断・治療方法について解説していきます。

〇犬と猫の脳炎とは

犬と猫の脳炎は、脳の実質や髄膜に炎症が起こっている状態です。
脳炎は、好発犬種や発症年齢などに特徴がみられ、放置していると死に至ることもあるため、早期の治療が必要です

〇犬の脳炎の原因

犬の脳炎は、非感染性脳炎と感染性脳炎に区別されます。感染性(ウイルスや細菌、真菌、寄生虫など)についてはワクチン接種が広まっているため少なくなっています。
そのため非感染性の脳炎が多くみられます。

非感染性脳炎では、
・肉芽腫性髄膜脳脊髄炎
・壊死性髄膜脳炎
・壊死性白質脳炎
などが挙げられます。

肉芽腫性髄膜脳脊髄炎は、脳に肉芽腫を形成するタイプの脳炎です。
若齢の小型犬に好発する疾患であり、自己免疫機序が発症に関与していると考えられています。

壊死性髄膜脳炎は、パグ、シーズー、ペキニーズ、チワワ、ポメラニアン、パピヨンなどの犬種に好発し、パグ脳炎とも呼ばれています
若齢の犬によくみられ、治療に反応しない場合には、予後不良となることも多いです。

壊死性白質脳炎は、ヨークシャーテリア、チワワ、パピヨンでよくみられる脳炎です。
原因不明であり、2〜6歳の小型犬に好発します。
生涯にわたっての治療が必要になることがあります。

〇猫の脳炎の原因

猫の脳炎は、感染性のものが多いです

特に猫伝染性腹膜炎(FIP)感染により脳炎を発症します。

そのほか、トキソプラズマと呼ばれる寄生虫やクリプトコックス症と呼ばれる真菌感染によって脳炎がみられます。

〇犬と猫の脳炎の症状

脳炎の症状は以下の通りです。

・けいれん
・旋回運動
・歩行異常
・視覚障害
・食欲不振
・元気低下
・意識レベルの低下

けいれんなどの神経症状がよくみられ、進行すると意識レベルの低下を引き起こします。

放置すると命を落とすこともあるため、早期の治療が必要です。

〇犬と猫の脳炎の診断方法

脳炎の診断方法は、以下の通りです。

・神経学的検査
・血液検査
・レントゲン検査
・超音波検査
・MRI検査
・脳脊髄液検査

まず、刺激に対する反応や運動能力など神経系の異常がないか確認します。
また、犬や猫の脳炎を確定診断するためには、MRI検査や脳脊髄液検査が必要です。
他にも隠れた疾患がないかどうか見極めるため、血液検査やレントゲン検査、超音波検査を行う必要があるでしょう。

〇犬と猫の脳炎の治療方法

犬と猫の脳炎の治療方法は、原因によって様々です。

原因が感染性であり、病原体が明確な場合には、病原体に合わせた抗生剤や抗真菌薬を用います。
非感染性の脳炎や原因が自己免疫疾患の場合には、ステロイド剤を使用して炎症を抑えなければいけません。
また、けいれんなどの神経症状を抑えるために、抗てんかん薬を内服することも大切です。

〇まとめ

本記事では、犬と猫の脳炎の原因や症状、診断・治療方法について解説しました。
脳炎は、放置しておくと死に至ることもあるため、早期の診断・治療が必要です。
飼い主さんは、愛犬、愛猫に神経症状などの異変が見られた際にはすぐに動物病院を受診するようにしてくだい。

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<参考文献>
獣医内科学 第2版 p397~p399

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