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東洋医学コラム①「漢方は効くのか?効かないのか?実際どうなのか?!」
こんにちは。獣医師の大野です。
「漢方って効かないでしょ」「長く飲まなきゃダメなんでしょう」
よく言われます。
結論、効きます。長く飲まなくても大丈夫。(長く飲んだ方が良いのもある。というか、長く飲んでも大丈夫)
去年の今頃、ちょうどダイヤモンドプリンセス号が新型コロナウイルスですったもんだしている頃である。
私は発熱した。しかも、横浜で学会参加したきっかり2週間後。
しんどかったので、風邪の初期症状で悪寒のするときに使う「麻黄湯」を飲んで取りあえずのだるさをしのぎ、
人間の内科にかかった。
たまたま、中国人の女医さんで
「麻黄湯を飲んだのね。日本人で漢方を飲む人って、少ないのだけど。中国では麻黄湯を飲んで、新型コロナウイルスの症状が隠れちゃって問題になっているのよね」
と言われてしまった。
「まあ、このまま、熱が下がらなかったら保健所と相談してね」で診察は終わった。
「じゃあ、漢方を飲まない方がいいでしょうか?」の質問にはスルーされ、聴診も喉も触られることなく、出たのは解熱剤という不思議な診察だった・・。
そんな会話でも、わかるようにやっぱり中国では漢方ってとてもポピュラーで、結果が出ている事がうかがえる。
さて、漢方薬とは、生薬という自然由来の植物や鉱物、動物性のもの(昆虫とかエグイものも)を組み合わせて作られています。
その配合や分量は長い歴史の中で経験的に作られたものなのです。
麻黄湯はというと、麻黄、桂皮、杏仁、甘草の生薬でできています。
実はこの「麻黄」は成分を「エフェドリン」といいまして、アドレナリン作動薬という普通に薬なんです。
交感神経に働いて、気管支拡張作用、発汗作用、中枢神経興奮作用があります。もともとエフェドリンは、喘息や気管支炎、鼻の症状なんかで処方します。
エフェドリンは循環器に問題のある方は注意しなければならないのと、スポーツ業界でドーピング検査にひっかかるという、ちょっと恐い側面も。
ただ、ここは漢方。絶妙な分量と他の生薬と混ざっている事で、そうした副反応は抑えられているのデス。
一応、比較的に体力のある方に処方するという但し書きはあります。
麻黄以外の生薬の桂皮は「シナモン」ですね。体を温め全身の毛細血管まで循環を良くするので有名です。
長い年月の中で、理屈でなく、生き残ってきた経験上のお薬のすごさですね。
成分をキチンと調べると科学的に証明できるのデス。
ヒトも動物も太古の昔から変わりません。漢方の恩恵をぜひ、与りましょう。
そんなわけで、私は無事にすぐに体調も治り、仕事復帰を果たせたのですが。
一緒に参加したK本先生はずっと元気ハツラツ。
「やっぱり年で免疫力が落ちているのでしょうね」とH岡先生にいじられたのでした(笑)。
漢方飲んで元気出そう・・・。^^;