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患者さん向け医院コラム

わんちゃん・ねこちゃんの食中毒

まだまだ暑い日が続く今日この頃ですが、暦の上では秋となりました。実りの秋とも言われるこの季節ですが、人においてきのこや植物などの山菜による食中毒が多くなるのも実はこの時期です。
犬や猫にも中毒を起こす食べ物があることは多くの方がご存知かと思いますが、今回は私たちが日常的に食べている食材のうちで、犬や猫に中毒を起こしうる食べ物を改めて挙げてみましたので、是非参考にしてみてください。

《食べさせてはいけない食べ物》
◎ たまねぎ・ニラ・長ネギ
アリルプロピルジスルファイドという成分が食中毒の原因となります。この物質が赤血球を破壊することで貧血や血尿、黄疸といった症状が見られます。1kgあたり15〜20g以上摂取すると症状が起こるとされています。これらを煮込んだスープなども中毒の原因になるので要注意です。

◎ じゃがいも
じゃがいもの芽にはソラニンやチャコニンといった天然毒素が含まれています。人間と同様、犬や猫もソラニンを食べてしまうことで下痢や嘔吐などの症状がみられます。他にもナス科の食べ物に含まれるアルカロイドという毒素によって同様の症状がみられることがあるので、注意が必要です。

◎ チョコレート
チョコレートに含まれるテオブロミンという成分が主に犬で食中毒の原因となります。犬はテオブロミンの代謝に時間がかかるため、過剰に摂取してしまうと中毒症状を起こし,下痢や嘔吐を起こします。また、痙攣や発作を起こし命に関わることもあります。小型犬だと板チョコ1枚で中毒症状が起こることもあるので、盗み食いには十分注意しましょう。

◎ ぶどう・レーズン
原因物質は未だ明らかになっていませんが、ぶどうやレーズン、特に干しぶどうを摂取することによって中毒症状が起こることが知られています。嘔吐や下痢に加えて、尿が多くなったり少なくなったり、腎臓を痛がって背中を丸めたり、といった急性腎不全の症状が起こることがあります。

 

◎ ガム
ガムに含まれるキシリトールが食中毒の原因になります。キシリトールを摂取すると、インスリンという血糖値を下げるホルモンが大量に分泌されてしまいます。その結果低血糖になり、嘔吐や痙攣、虚脱といった症状が起こります。

◎ アボカド
ペルジンという物質が原因となり、嘔吐や下痢、呼吸困難などの中毒症状を起こします。アボカドの品種によってペルジンの含量が異なるため、含量の少ない品種のアボカドを使っているドックフードもあります。しかし、一般的に日本で売られているグアテマラ産のアボカドはペルジンを多く含むので、ペットに与えるべきではありません。

《たくさん食べると危険な食べ物》
◎ コーヒー
コーヒーに含まれるカフェインが原因となり、呼吸困難や痙攣を引き起こします。1kgあたり100mg〜200mg(約コーヒー1杯分)が致死量とされています。他にもお茶や紅茶、コーラ等にもカフェインは含まれているので注意が必要です。

◎ 生の卵白
生の卵白に含まれるアビジンというタンパク質がある種のビタミンの吸収を阻害することで、食欲不振や皮膚炎、脱毛といった症状を起こす事があります。タンパク質は熱で壊れるので、あげる際に白身は熱を加えてください。

いくつか挙げてみましたが、みなさんもう既にご存知のものが多かったでしょうか。
普段自分が何気なく口にするものが、まさかペットにとっては有害だなんて中々考えが及ばない所もあるのではないでしょうか。もし誤って食べてしまって心配な場合や、中毒症状が見られた場合は、すぐにご連絡ください。
食中毒や食事のアレルギーなどは個体差が大きいので一概には言えない部分もありますが、リスクのある食材はなるべく避けて、健康な日々を過ごしていただきたいと願っております。

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