症例紹介
膀胱腫瘍の原因と症状、治療について|獣医師が解説|秦野市のみかん動物病院
神奈川県秦野市・伊勢原市・平塚市・中井町・二宮町・小田原市の皆様こんにちは。
神奈川県秦野市のみかん動物病院、獣医師の森田です。
犬や猫にとって、がんなどの腫瘍性疾患はよく見られる問題です。その中で膀胱腫瘍は比較的まれですが、発生した場合、悪性腫瘍であることが多いため注意が必要です。
今回は、犬や猫の膀胱腫瘍の基本情報から診断、治療方法に至るまでを詳しく解説します。
■目次
1.膀胱腫瘍とは?
2.膀胱腫瘍の症状と早期発見のポイント
3.膀胱腫瘍の診断方法 – 獣医師の視点から
4.膀胱腫瘍の治療法
5.実際の例
6.愛犬・愛猫を膀胱腫瘍から守るために飼い主さんができること
7.まとめ
膀胱腫瘍とは?
膀胱腫瘍は、膀胱内の細胞が異常に増殖し、腫瘍を形成する状態を指します。腫瘍には悪性腫瘍と良性腫瘍の2種類が存在しますが、犬や猫の膀胱腫瘍はほとんどの場合、移行上皮がんと呼ばれる悪性腫瘍です。
膀胱腫瘍は進行が早いことが多く、治療が遅れると他の臓器にも影響を及ぼす可能性があります。また腫瘍が大きくなると、尿の通過を妨げ、痛みや他の合併症を引き起こすことがあります。
膀胱腫瘍の症状と早期発見のポイント
膀胱腫瘍の典型的な症状には、血尿や頻尿、尿失禁などがあります。これらの症状は膀胱炎と非常によく似ており、症状が長引く場合は膀胱腫瘍の可能性を考慮する必要があります。
膀胱炎の原因としては、細菌感染、膀胱結石、ストレスなどが一般的です。これらは尿検査やレントゲン検査、腹部の超音波検査などで発見され、適切な治療により改善する場合がほとんどです。
しかし膀胱腫瘍の場合、これらの治療に一時的に反応することはあっても、症状が完全に消失することはまれです。
もし、膀胱炎の治療を行っても症状が改善しない場合や、再発を繰り返す場合は、早めに精密検査を受けるようにしましょう。
膀胱腫瘍の診断方法 – 獣医師の視点から
診断には以下の方法が用いられます。
・尿検査:血尿や異常な細胞の存在を調べます。
・レントゲン検査:膀胱だけでなく、近くのリンパ節や肺への転移がないかをチェックします。
・超音波検査:膀胱の内部を視覚化し、腫瘤の存在と大きさを確認します。
・組織生検:腫瘍の一部を取り出し、詳しく調べる方法です。これにより、腫瘍の性質や種類を正確に診断することができます。
膀胱腫瘍の治療法
膀胱腫瘍の治療には、さまざまな方法があります。治療法は、腫瘍の大きさや種類によって異なります。以下に代表的な治療法をご紹介します。
・薬物療法:薬を使って腫瘍の成長を抑える方法です。化学療法薬が使われることが多いです。
・放射線療法:高エネルギーの放射線を使って腫瘍細胞を破壊する方法です。局所的な治療として効果があります。
・外科的切除:腫瘍を手術で取り除く方法です。特に、腫瘍が尿管や尿道といった尿の通り道を塞いでいる場合、命に関わる合併症のリスクが高いため、積極的な外科手術が推奨されます。
実際の例
ここで、膀胱腫瘍の実際の症例と、その治療経過をご紹介します。
愛犬・愛猫を膀胱腫瘍から守るために飼い主さんができること
膀胱腫瘍の初期症状は膀胱炎とよく似ているため、発見が遅れることがあります。少しでも「おかしいな」と感じたら、すぐに詳しい検査を受けることが大切です。早期発見には、定期的な健康診断がとても役立ちます。
まとめ
膀胱腫瘍は深刻な病気ですが、早期発見と適切な治療により愛犬や愛猫の生存期間を大きく延ばすことができます。
もし泌尿器トラブルでお困りの場合は、ぜひ当院へご相談ください。
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