症例紹介

内分泌科

甲状腺腫瘍

甲状腺の腫瘍は発生率は低いものの、そのほとんどが悪性に分類される甲状腺癌です。

甲状腺は、甲状腺ホルモンを分泌する器官ですが、甲状腺癌ではほとんどがホルモンの分泌を伴わない非機能性腫瘍であり、甲状腺機能亢進症を伴う機能性の腫瘍はわずか10%程度です。

また甲状腺機能低下症を伴うこともあります。

 

第一選択は外科的切除ですが、腫瘍の大きさ、湿潤の程度、甲状腺中毒の症状の有無、遠隔転移の有無および両側に発生しているかどうかにより、補助的化学療法や放射線療法との組み合わせが必要になる場合もあります。

また、両側の甲状腺を摘出する場合には、甲状腺ホルモンが不足するため、甲状腺ホルモン剤の生涯投与が必要です。

 

さらにその近傍に存在する上皮小体(血中カルシウム濃度を調節している器官)が温存出来ない場合には、術後の血中カルシウムの管理が必要になる場合があります。

 

放射線治療は一般的には甲状腺癌が切除不能な場合に行います。

 

外科的手術や放射線療法で局所制御できていても転移の起こる可能性が高い症例では補助的化学療法を行う場合もあります。

 

腫瘍化した甲状腺(右側)

 

 

 

 

 

 

皮膚切開し、腫瘍を露出

 

 

 

 

 

 

腫瘍を気管から剥離

 

 

 

 

 

 

 

腫瘍に入る血管などを処理し摘出

 

 

 

 

 

 

 

病理組織検査にて腫瘍本体は“甲状腺癌”でした

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