症例紹介

東洋医学科(鍼・漢方)

顔面神経麻痺

ある日、突然うちの子が無表情で下唇が垂れて、ご飯をこぼすようになった。よく見ると瞬きもしない。

とってもビックリしてしまう病気です。顔の神経がマヒしてしまうのです。

 

原因としては、耳の疾患、顔面神経の外傷、甲状腺機能低下症、重症筋無力症、顔面神経に詠唱する腫瘍、それが除外されて特発性と診断します。

 

芸能人では松居一代さんやビートたけしさんがなったので有名です(人間でもなるのですよ)。

松居一代さんは特発性。多分ストレスでしょうか。ビートたけしさんは外傷性です。

 

私の治療法は顔面の神経に直接鍼を刺して、電気で刺激します。

それにプラスして、家でのマッサージの指導をします。

今回の状況とその子にあった体質の漢方薬を選んで飲んでもらいます。

 

 

 

【ミニチュアピンシャー・雌・10歳】

 

 

「不意に気付いたら、瞬きをせず、唇が下がって無表情になりました」

「CTとMRIをとり、特発性の顔面神経麻痺と診断を受け、治療法がないと言われました。高い検査をしたのに…」ととても悲しそうにお母さんが診察に来てくださりました。

 

 

1回、2回…と鍼治療をしましたが、お母さんの顔は曇っていて、「良くなっているのかわからない」とのこと。

急いで漢方薬を仕入れ、投薬もスタートしました。

 

 

そこから、通院時にお母さんの顔が明るくなっていきました。

「瞬きをできるようになりました」

少しずつ、お顔に表情が戻り、治療を終えることができました。

 

 

病状は飼い主様のお顔を見るといっぺんで分かります。命に係わる病気ではないですけれど、つらい病気の1つです。

 

 

【フレンチブルドック・雌・9歳】

 

 

徐々に瞬きが出来なくなり、かかりつけ医に顔面神経麻痺と診断。画像診断はあえてしませんでした。

「どんどん口が下がり、左に傾き、食べ物はこぼれるし、どうなっちゃうのだろうと心配で怖いです」

 

この子も数回治療をしたのですが、最初の漢方薬はイマイチ反応せず。

外耳炎からの影響を疑った漢方薬に変更したところ、上手くヒットして耳も良くなり。麻痺も改善していきました。

 

    

 

左が治療前。右が治療後です。

向かって右の頬が垂れていたのがシュッとしています。

 

その後、春の時期に再発を繰り返すものの。漢方薬と鍼治療で上手く付き合っています。

不思議なのが、その時の状況により、前の漢方では改善が見られない事があるので、処方を変えて対処していきます。

 

一見関係ないと思われる場所にも鍼を刺していきます。

 

 

鍼治療って不思議です。

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