症例紹介

泌尿器科

膀胱腫瘍

ほとんどの膀胱腫瘍は上皮細胞から発生した悪性で、最も多くみられるのは移行上皮癌です。

他の膀胱腫瘍として、良性腫瘍では平滑筋腫、悪性腫瘍ではリンパ腫、平滑筋肉腫、扁平上皮癌などが報告されています。

 

症状は血尿や頻尿、尿失禁などが認められます。

一見、膀胱炎とそっくりな症状の為、難治性の場合は要注意です。

 

膀胱腫瘍の治療は、膀胱腫瘍の大きさ、種類などにより薬物療法、放射線療法、外科的切除から選択、または複数を組み合わせて治療が行われます。

 

膀胱には膀胱三角と呼ばれる左右の尿管と尿道を結んだ領域があります。

そこに腫瘍が出来ると尿管や尿道を巻き込み、排尿障害などを引き起こす可能性があるので積極的に外科的切除を行います。

膀胱の全摘出を行った場合は、尿を一定量ためてから排泄するということが出来なくなり、おむつなどが必要になる場合もあります。

 

 膀胱頭側腹側に腫瘍が確認される。(黄色点線部)

 

 

 

 

 

 

 尿路造影検査にて、尿道開口部(尿が腎臓から降りてくる部分)への物理的な影響がないことを確認し、手術計画をたてます。

 

 

 

 

 

 

 膀胱頭側腹側面に腫瘍を確認。

 

 

 

 

 

 

 

 膀胱切開を行い、腫瘍部を切り取ります。

膀胱の容量は10%程度になりました。

 

 

 

 

 

 切り取った腫瘍は4cm×4cm。

病理検査にて移行上皮癌でした。

 

 

 

 

 

 

 術後1週間で頻尿や血尿の症状は落ち着き、膀胱もある程度、尿を溜めることが出来るようになりました。

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