症例紹介

東洋医学科(鍼・漢方)

授乳中に原因不明の高熱を起こした母猫に鍼・漢方治療をした症例

 推定年齢3歳(当時)

2014年7月15日 保護された野良猫が院内で出産しました。

その1週間後、別件で生後間もない仔猫が保護されました。

ちょうど産んだ4匹の子を授乳していましたので、その中に忍ばせ、乳母をしてもらいました。

彼女は快く引き受け面倒をみてくれたのですが、その夜から原因不明の発熱が起きました。

 

一般血液検査、ウイルス検査、画像検査、全て問題なし。

猫特有の風邪をひいてしまったのかと判断し、授乳中なので乳汁に影響しない薬を選んで治療するも、改善しませんでした。

8日間、発熱はキッチリ夕方~夜に現れました。

39.4~39.9度(動物の体温は直腸で測りますが、正常が38.0~39.0度)なので高熱です。

 

ここで、鍼と漢方治療を行うことになりました。

東洋医学的な見立ては、ざっくり言うと。

『自分で産んだ頭数以上の子におっぱいをあげてしまったので、エネルギーと栄養を取られてしまい、季節は夏の時期、自分を冷やす体液も失ってしまった』

こんな感じです。(気虚とか血虚とか陰虚とか言います)

 

体力をあげる漢方(気を補う)と栄養を与える漢方(血を補う)を処方し、同時に体力を補う、発熱を下げるポイントに鍼治療をしました。

当時、一生懸命子育てをしていたので、仔猫たちから離すと怒るので、なるべく短時間で鍼治療しました。

 

治療効果はすぐに出て、治療を始めた次の日から発熱はなくなりました。

その後、順調にせっせと子育てを終え、母猫さんと子供たちは無事に新しい家族の元へ行きました^^。

 

ちなみにこのケース、鍼の認定を受けた学校の新聞に取り上げられ「So Unique!(おもしろいね!)」と外人さんに言ってもらえました^^。

ヒトで言うところの「未病」。西洋医学の薬では治せなかった症例でした。

 

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