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患者さん向け医院コラム

東洋医学コラム③『私が東洋医学にはまった理由』

 

 

こんにちは。東洋医学担当の大野です。

鍼治療の要望が増えてきたため、9月から外来を抜け、午前中も鍼治療をすることになりました。

外来で担当させていただいた患者様には大変ご迷惑をおかけいたします。また、獣医が抜けたことで外来の混雑も予想されます。大変申し訳ありません。

 

「鍼や漢方の治療で全ての病気が治りますか」と言われたら、答えは「いいえ」です。

逆に「西洋医学で全ての病気が治りますか」という質問も「いいえ」なんです。

 

長く獣医をしていますと「同じ薬なのに効く子と効かない子がいる」「薬をやめたら、再発する。薬をやめられない」「薬を飲むほどじゃないけれども…なんだかよくない」「持病があるから使いたい薬が使えない」「症状に合わせて薬を出していたら、薬がどんどん増えて大量になっていく(心臓の薬などはやむを得ない場合ももちろんあります)」などと困ることがあります。

 

それらの改善を期待できるのが東洋医学です。

考え方として、病気の理由を「その個体の体質(内側の問題)」と「温度、湿度、気圧等の環境や季節(その側の問題)」を合わせた全体を考えていきます。

例えば、椎間板ヘルニアで歩様が不自由になった子でも「若くて急に歩けなくなった子」と「年齢を重ねて、持病もあって歩けなくなった子」では選ぶ漢方薬や鍼治療の仕方が変わります。年の子にはまず、体力や治癒力を付けてあげる漢方を処方します。

さらに「暑い時期になった」「寒い時期になった」も考慮していきます。

 

人の医学部では大学4年生のカリキュラムに鍼や漢方の授業が組み込まれていますが、実際の医師が積極的に東洋医学を導入する動きはまだまだなようです。ただ、内科医の8割は漢方薬を処方したことがあるというデータはあります。アメリカの医学部では既に卒業研修医に積極的に義務付けられているようです。

獣医療では残念ながら、日本の大学のカリキュラムで学ぶことはないです。アメリカや諸外国ではこうした治療は日本より認められており、私が認定を受けたChi Instituteという学校は世界中の獣医師が集まって学んでいます。現在はChi Universityになり、ヨーロッパやアジア等に分校ができました。

 

私としては、東洋医学を学ぶようになって動物たちの事をより「考える」ようになりました。

この子にとって何をすることが大事なのか。QOLを保つためには、(そもそもこの子は何を望んでいるのか)治してあげられるものは治してあげるように…でも、治らないなりにどのように向き合っていくのか…。皆で考えていく。やってあげられることはまだまだある。季節や自然の移ろいを感じながら「生きていく」ことを考える学問。

 

今のコロナ時代…。いかに健康に、病気をしないように、日々を楽しく生きていこうとシフトチェンジしていく時代に古いけど新しい学問なのではないでしょうか。

これからますます注目されていくと思います。^^

 

大切な我が子の治療の選択肢の一部にどうぞ、ご検討くださいませ。^^

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